井上陽水はプログレだった? アルバム「氷の世界」に漂うキング・クリムゾン感 井上陽水の “クリムゾン色” の陰にアレンジャー星勝あり! 井上陽水「氷の世界」に入り込んだプログレ人脈 2022年8月30日をもって74歳になる井上陽水に関して、ほとんどのことが語られ尽した感もある。とはいえサイゾーWEBに「井上陽水とアンビエント」という野心的な記事が掲載されているのを見つけて、まだまだ斬新な切り口はあるのだなと感心した。そこで今回のコラムでは変わった角度から、すなわち「初期の井上陽水はプログレ」(!)という一部プログレッシャーの間でまことしやかに囁かれてきた噂を検証してみたいと思う。 この俗説が浮上した要因は、日本初のミリオンセラーを達成した陽水の三枚目のアルバム『氷の世界』(1973年)にあると思しい。本作はポリドール・レコードの多賀英典の判断で半分ほどの楽曲がロンドン・レコーディングされ