ビデオゲームの語り部たち 第7部:Mr.ドットマンこと小野 浩氏が,制約の中で追求した自由 ライター:黒川文雄 ビデオゲームは革新の連続で発展し,ハードウェアのスペック向上に伴って,ゲームのキャラクターや世界観も拡張を続けきた。その中でも大きな転換点が,1990年代前半の3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)の登場であったことは,この連載で何度も書いてきた通りである。 3DCGにより,ゲームは“イマジネーション”から“リアリティ”へと舵を切った。筆者はかつて音楽業界に身を置いていたが,この変化にはレコードがCDに取って代わられたことと似た時代性を覚える。 今回の「ビデオゲームの語り部たち」では,そんな激動の時代を生きた元ナムコのドットアート・クリエイターである小野 浩氏の人生にフォーカスする。 人生はその人物が積み重ねてきた歴史だ。それを紐解くことは,その人柄や生み出してきたものに触