チンパンジーは想像して絵を描くことができないとする研究結果を、京都大霊長類研究所(霊長研)や中部学院大などの研究グループが発表した。 28日の米科学誌チャイルド・デベロップメント電子版に論文が掲載された。 チンパンジーに画材を与えると、抽象画のような絵を描くことが知られている。 中部学院大の斎藤亜矢准教授らは、絵文字を使った言語実験で高い理解力を示す「アイ」など霊長研のチンパンジー6頭(大人4頭、子ども2頭)と、人間の子ども57人(1~3歳)に、チンパンジーの目を片方だけにするなどした絵とペンを与え、残りの部分を補うかを調べた。 その結果、人間の子どもは年齢が上がるごとに成功する割合が増え、2歳6か月以上では約8割に達した。輪郭だけの絵でも、目、鼻、口まで描けた子どもがいた。一方、チンパンジーは6頭とも顔の輪郭をなぞる程度しかできなかった。