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ブックマーク / viking-neurosci.sakura.ne.jp (18)

  • Natureが報じる「減り続ける日本の若手研究者と、低下し続ける日本のサイエンスの生産性」 — 大「脳」洋航海記

    【ポスドク問題】 Numbers of young scientists declining in Japan – Nature News “Government policies are hampering the country’s next generation of research leaders, advisory body says.” もう見たまんまです。詳しくはリンク先の文及びこの後に続く日語訳をお読み頂きたいのですが、端的に言えば 過去30年間で大学教員全体の人数は50000人から63000人に増えたが、35歳以下の若手教員の人数は10000人から6800人へと大幅に(30%以上)減った 40歳以下の大学教員数が減り続ける一方で、45歳以上の人数は増え続けている。また65歳以上の人数も増え続けている。 同時期に日のサイエンスの生産性が低下していることを関連付ける

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    Itisango 2012/03/21
  • 世界規模で縮減するバイオ系サイエンス:米は壊滅、欧州も衰退、日本は横這い、中国とインドだけが伸長 – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般】 Funding in 2012: “great recession” starts to bite (Macilwain C, Cell. 2012 Jan 20;148(1-2):14-6) Biomedical research budgets are frozen or falling in developed countries. Can expansion in developing nations continue as economic contagion spreads? 当blogでCellの記事を取り上げるのは珍しいのですが、今後の世界レベルでの科学技術予算動向を占う上で大変重要な資料なので取り上げてみました。 Cellにアクセスできる方には是非お読みいただきたいのですが、これはもう見たまんま。ズバリ「天気予報に喩えて」2012年のバイオ系サイエンス

  • 鵜呑みにしてはいけない:根拠に乏しい「こんなにも違う、男女の脳の作り」 – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 とある男女差をあげつらったライフハック系blogのはてブ かなり大量のブクマを集めている記事があったので、何だろう?と思って覗いてみたらこれですよ。  最近はよほど大きなメディアで似非脳科学的言説が、しかもまことしやかに科学的真実であるかのように垂れ流されない限りは放置してきたのですが、さすがにこれは何かコメントした方が良いかなと思って取り上げてみました。 ここで挙げられている項目の多くはどちらかというと「単なる経験的事実」で、殊更に「生得的男女差」であるかのように訴えているものはそれほど多くはないと思いました。しかしながら、一部には根拠薄弱であるにもかかわらずさりげなく「脳は」「脳が」という表現を挿入している箇所があり、残念ながらそれらの箇所については「似非脳科学」的言説であると言わざるを得ないと僕には感ぜられました。 基的に、こういう根拠も

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    Itisango 2011/11/30
  • ステレオタイプなアカデミア批判と笑う勿れ:「ノーベル賞候補たちがこの国を出て行く理由」コラムを読む – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般】 ノーベル賞候補たちがこの国を出て行く理由 / 異端児を育てる「マネジメント能力」がない日の大学や研究室 – 現代ビジネス 物凄いタイトルと中身のコラムがいきなり出てきました。現代ビジネスというと煽り記事やミスリーディングな記事、さらには事実誤認記事も多くて何かと物議を醸すニュースサイトだと認識しているんですが、今回のコラムには思わず唸らされました。皆様も、まずは是非上記リンク先からご自身の目でお読み下さい。 中には「?」と思ってしまうほど時代遅れな風習の描写もあったりしますが、一方で2011年現在においても程度の大小こそあれ存続している慣行についての記述もあります。これはステレオタイプなアカデミア批判ではなく、事情通による一種の告発記事だと看做すべきでしょう。 特に、「日の大学にはマネジメント(経営)がない」という指摘は当blogの以前からの問題提起に合致するもので

  • 「テストステロンはヒトの交渉行動に影響を与える」という先入観の裏にある真実:テストステロンとは無関係に「思い込み」こそが攻撃的行動を引き起こすことを明らかにした痛快な研究

    【脳研究 – reviews】 Prejudice and truth about the effect of testosterone on human bargaining behaviour (Eisenegger C, Naef M, Snozzi R, Heinrichs M, Fehr E, Nature. 2010 Jan 21;463(7279):356-9) Twitterでふと触れたところ反響が大きかったので、もう1年以上前の研究ですが改めて取り上げてみようと思います。 一般に、これまでに発表されてきたセンセーショナルな研究の数々から「男性ホルモンであるテストステロンは攻撃的(というかアグレッシブ)な行動を引き起こす」と言われてきて、一種の俗説脳科学(中には当blog言うところの「似非脳科学」も含む)の中にはそこからさらなる怪しげな言説を導き出すものも多いようです。「男

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    Itisango 2011/06/30
  • 研究発表をする上で最低限守りたい7箇条 – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 方法】 関連ツイートのtogetter – vikingjpn @ Togetter このエントリとほぼ同じタイトルでトゥギャったんですが、140字ではまとめ切れなかった部分も含めてついでに当blog上でまとめておきます。これから国際会議や誌上発表などに臨もうという若い人(この言い方オッサン臭くて嫌だな)に参考にしていただければ嬉しい限りです。 一応再掲しておきますが、概して若い人の研究発表を見ていると「細大漏らさず」「事実に忠実で」「過不足なく」というところばかり心がけていて、まるでテクニカルレポートのような発表をしている人が学会発表や投稿論文でも多いんじゃないかという印象を感じます(中には若くても図抜けてimpressiveな発表をやってのける人も勿論いますが)。 学会プレゼンや誌上発表というのは、(音楽)アーチストにとっての「ライブ演奏orコンサート」や「CD(MP3配信

  • WHOの「飲用水の安全性について」は必読 – 大「脳」洋航海記

    【ニュース】 Drinking water safety – WHO | FAQs: Japan nuclear concerns, 25 March 2011 (筆者注:各行上から「WHO飲用水質ガイドライン」「日の現行の放射能濃度制限基準」「同基準の乳幼児向け」「IAEAが定める原子力緊急事態における放射能濃度規制基準」 / 各列左から「飲用水の放射能濃度制限基準の分類」「放射能濃度基準値Bq/kg or Bq/l」、「想定される年間放射線被曝量」、「仮にその濃度で1年間摂取した際に想定される健康へのリスク」) (1) WHO Guidelines for Drinking-water Quality should not be taken as the reference point for nuclear emergencies because the levels set ar

  • いくらTV局側で但し書きをつけても、似非脳科学に変わりはない – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 S氏、『ホンマでっか!?TV』2010年10月20日放送分における発言まとめ – Togetter 似非脳科学は「誤った解釈、過剰な単純化、動物実験に基づいた大胆な推論」が生む:神経科学界のリーダーたちが語る「神経科学者の役割」とは?(追記あり) – 当blog 舌の根も乾かぬうちに、某TV局がやらかしてくれました。しかも、ダークサイドに落ちたS氏(ちなみにダークサイドに落ちた経緯は以前のエントリ[1] / [2]をご参照のこと)とのタッグで。 先に結論から書きましょう。上記リンク先のTogetterまとめに挙がっている彼の番組内での発言の大半は、「誤った情報」「未確定の研究に基づく決め付け」「不正確な理解」「拡大解釈」「過剰な単純化」「動物実験に基づいた大胆な推論」がもたらすただの「憶測」でしかありません。そしてそれは、以前OECDの報告書が指

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    Itisango 2010/10/22
  • ある意味正直で好感が持てる「パチンコ依存症の脳科学研究」という運動 – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues】 なぜギャンブルにはまるの? – 日経「ナゾ謎かがく」 だいぶ前に見た記事なんですが、ふと思い出して取り上げてみました。 「ギャンブル依存症」というのは確かに難しいテーマです。普通の神経科学の世界でも、例えばSFN(北米神経科学学会)の年次大会に必ず”addiction”というカテゴリが設けられるように「依存症」というのは大きな関心を集めるテーマなんですが、今のところ薬物依存症を扱う研究が大半で、このような非薬物系の依存症の研究はまだまだ難しいといえると思います。 例えば、以前まさにギャンブル依存症に関する研究がNat Neurosciに載ったことがあります。その内容がこちら。 Pathological gambling is linked to reduced activation of the mesolimbic reward system (Reuter

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    Itisango 2010/10/13
  • たった3例で「科学者は非常識な人間だらけ」と断じられてはたまらない – 大「脳」洋航海記

    【科学】 【竹内薫の科学・時事放談】科学は誰のものか – 産経 Twitterでも一通りコメントしましたが、一応エントリとしてまとめてみることにしました。 実は、この記事が出るんじゃなかろうか?と思わせるご人の愚痴めいたコメントをweb上のどこかで見たことがあったのでした。それは、同業者としてはあまりにお恥ずかしくお粗末なエピソードだったもので、まぁ怒るのも無理はないかなと思わせるような話でした。 自戒を込めて書きますが、いわゆる研究者にはお世辞にも「一人前の社会人」などとは到底いえないほど非常識の塊のような御仁が一定数存在します。そうした人々が、例えばアウトリーチや科学コミュニケーションの現場の数々でトラブルを引き起こしているという話は往々にして聞きます。それは同業者の所業としては大変お恥ずかしい話ですし、社会で働く職業人として個々の研究者が衿を正すべきことだと思います。 ところが、そ

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    Itisango 2010/09/27
  • 「5%有意水準のもとで有意」を日本の法廷は「5%も例外があるならそれは重要だ」と曲解する(追記あり) – 大「脳」洋航海記

    【科学】 2010年8月25日 司法関係者が統計学を理解できないと – サイエンスポータルレビュー この記事にはちょっとびっくりしました。何がびっくりしたって、記事中で紹介されている法廷の現場における科学者の証言の扱いについてです。 最初の基調講演者、津田敏秀・岡山大学大学院環境学研究科教授の指摘からも事態の深刻さが読み取れた。津田氏は疫学が専門の医師として、水俣病を初めとする多くの環境裁判の法廷で証言してきた経験を持つ。 氏の指摘の中で、多くの人がありそうだと感じるだろう、と思われることがあった。裁判官を含む司法関係者の多くが、疫学の基である統計学を理解していないということだ。確率というものが理解できない結果、「95%の確率でこれこれのことが言える」という科学者の証言に対し、「では残り5%はどうなのか」といったやりとりにしばしば論点が移され、結果的に「5%」の方が勝ってしまうことが「日

  • 「脳が」「脳が」と連呼しなくても良いアドバイスはできる – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 筋トレの要領で集中力トレーニングをしよう – ライフハッカー[日版] / 英語版 「幸せに生きる」ための脳の使い方 – 日経ウーマンオンライン 何だか面白い記事を2つ見つけてしまったので、ピックアップしてみました。どちらの記事も、平たくいえば「脳の使い方」の話をしているもので、それなりに知名度のあるメディアが取り上げているという共通点があります。 ところがどっこい、似たような話かと思ったら一読して受けた印象がだいぶ異なるのでびっくり。  皆さんにもぜひお読みの上で比べていただきたいのですが、ライフハッカーの記事の方はそこそこまともで僕ら神経科学を生業とする人間が見ても「まぁまぁ妥当かな」と思わせる内容。一方の日経ウーマンの方はというと・・・「脳の使い方」じゃなくて単なる「考え方」の問題だろ!と突っ込みたくなるひどい代物。 そういうわけでちょっ

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    Itisango 2010/08/09
  • 日本でも現実味を帯び始めた「ニュージーランド型の大学改革」 – 大「脳」洋航海記

    【大学・大学院】 草の根から見たニュージーランドの行政改革 ニュ-ジ-ランドの行政改革と高等教育および科学研究への影響・予備調査報告 昨年の事業仕分け直前のエントリでだいぶ詳説しましたが、今ちょうど運営交付金の削減談義が降って湧いてきているところですので、再掲してみることにしました。 ちなみに、昨年のエントリで引用して反響を呼んだ下りはこの辺り。 科学研究で何が起こっているかは、王立協会(日の学士院に相当)会長のブラック教授が昨年オーストラリア国立大学とネーチャー誌主催の討論会「研究において創造力をいかに育てるか」で講演したときの演題「文化大革命下にあるニュージーランド科学研究の現状」4)がよく示していると思われる。科学研究分野においても、キーワードは「自由化」、「競争」、「受益者負担」となり、経済に直接有用な研究のみに予算が与えられるようになった。国立研究所は再編縮小され、あるものは廃

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    Itisango 2010/07/27
  • 「デジタルドラッグ」は神経科学的に根拠あるものなのだろうか? – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues】 青少年の間で「デジタルドラッグ」が流行中? – ./J Sound As the New Illegal Narcotic? – ./家記事 青少年に蔓延する「麻薬音楽」(動画) – WIRED VISION パカパカ / 光過敏性発作 – Wikipedia語版 何気なくGoogleニュース検索で引っ掛かったのが1番目の記事。何気なく読んでいて、思わず目を疑ってしまったのが以下の箇所。 人間の耳にそれぞれ別々の周波数の音を聴かせると、脳がその周波数の違いを補正しようと周波数の差のビートを脳内で作りだすとのことで、この差の大きさによってアルファ波やベータ波、シータ波などを誘発することができ、心理的もしくは神経学的な効果がみられるとのことだ。 うーん・・・未だにこういう言説ってまかり通るんですね。  こういう話がにわかに巷で聞かれるようになったのは「ゲーム

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    Itisango 2010/07/20
  • 日本の科学研究業績はこの10年に渡って低迷し、衰退の兆候すら見せている – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般&科学】 日の科学研究動向レポート、『グローバル・リサーチ・レポート:日』を発表~日の論文数はほぼ横ばい、中国など新興国の台頭もあり論文数の世界シェアは低下~ – トムソン・ロイター 2010年7月7日 論文から見た日の研究業績低迷明らかに – サイエンスポータル 日は「質」の低い基礎科学研究論文を「量」産する国でしかないのか:ISIトムソン・ロイターズのデータが示すもの / ついに日のサイエンスの「老化」が始まった?:相対的のみならず、絶対的な生産性の低下という事実が示すもの – 当blog 今年の春にかなり集中的に議論されていた、「日のサイエンスの老化」問題。当時はEssential Science Indicatorのデータに基づいて研究者同士で議論を交わしていたのですが、今回ついにそのESIの総元締めであるトムソン・ロイター自身が定例リリースしている”

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    Itisango 2010/07/07
  • 「似非脳科学」が娯楽に留まらず、政策決定にまで波及したらどうなるのか? – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 これは、脳科学ではない – Procrastinator’s column 問題の記事群 神経神話に乗せられる政治は、さしずめ「神経政治」といったところか? / ミスリードされる「脳から見た男女差」:現代の神経科学はそこまで男女差を明確に示せるわけではない – 当blog 脳の解剖学的な男女差 – 生命の理解、そして「理解」の理解。 未熟な繁茂から選択による成熟 – 脳とネットワーク/The Swingy Brain 時々拝読しているblog「Procrastinator’s column」にて、面白い記事を見つけてしまいました。  それが、上記1番目リンク先のエントリ。 要するに2番目のリンク先の論説の数々についてのコメントなのですが、僕も当該論説をいくつか読んでみて呆れてしまいました。  ただ、この御仁は知る人ぞ知る曰く付きの人物で、以前にも

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    Itisango 2010/06/16
  • 米国で法廷と研究者を巻き込んだ「fMRIは嘘発見器として使えるか?」論争 – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – issues&ニセ科学問題】 fMRI Lie Detection Gets Its Day in Court Can Brain Scans Detect Lying? Exclusive New Details From Court Hearing Brain Scans Not Acceptable for Detecting Lies, Says Judge – Science Insider アメリカ合衆国下級判事 / 嘘発見器 – Wikipedia語版 Science誌の一般向けニュースサイト(Nature Newsみたいなものですかね)にこんな記事が出てました。何というか、昨年のMR. BRAINの件を思い出しますね。 そもそも何でこんな話になったのかというと、1番目の記事にその発端について簡潔にまとめた記述があります。 A hearing under

  • 定義も日本社会における位置付けも曖昧な「コミュニケーション能力」なる概念に基づいてポスドク問題を論じる愚 – 大「脳」洋航海記

    【ドクター・ポスドク問題】 産業構造審議会産業技術分科会基問題小委員会(第12回)-議事要旨 – 経産省 コミュニケーション能力 – Wikipedia語版 別のところでも色々書いたんですが、ものすごく強いデジャヴを感じる議論のオンパレードになっていたのでちょっとblogでもまとめて書いてみます。 基的に、ポスドク問題というと必ずキーワードになるのが「コミュニケーション能力」なるものなのですが。この小委員会における議論でも、こんな形で出てきています。 日人の語学力の低さも含めて、コミュニケーション能力の低さが課題解決型研究開発の障壁になりかねない。自前主義からの脱却、産学連携、オープンイノベーション、国際標準化、いずれをとっても異なるセクターとのコミュニケーションを適切にしなければ課題解決には繋がらない。 ポスドクの問題についてもコミュニケーション力の問題が大きい。博士号をとった

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    Itisango 2010/05/31
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