貨幣論 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1993/04メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (17件) を見る 岩井克人は、その貨幣論において、貨幣というものの根拠をつぎのように説明している。マルクスの価値形態論では、あらゆる商品に対して「等価形態」にある一つの商品が、均質的で、分割可能で、耐久的な、すなわち金という商品に、その地位を譲り渡すことによって貨幣となる。ここで、「等価形態」というのは、マルクスが「単純な価値形態」、 20エレのリンネル=1着の上着 を表記したときの「1着の上着」に相当するものである。このとき、リンネルは「相対的価値形態」にあるとされ、上着と交換されることによってその価値が表現される。一方、上着は、リンネルという主体に対して客体、図に対する地にあたるものであり、価値を表現するための尺度となる。このように