書評と経済学に関するJD-1976のブックマーク (11)

  • 岩井克人「貨幣論」 - 備忘録

    貨幣論 作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1993/04メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (17件) を見る 岩井克人は、その貨幣論において、貨幣というものの根拠をつぎのように説明している。マルクスの価値形態論では、あらゆる商品に対して「等価形態」にある一つの商品が、均質的で、分割可能で、耐久的な、すなわち金という商品に、その地位を譲り渡すことによって貨幣となる。ここで、「等価形態」というのは、マルクスが「単純な価値形態」、 20エレのリンネル=1着の上着 を表記したときの「1着の上着」に相当するものである。このとき、リンネルは「相対的価値形態」にあるとされ、上着と交換されることによってその価値が表現される。一方、上着は、リンネルという主体に対して客体、図に対する地にあたるものであり、価値を表現するための尺度となる。このように

  • 価格上昇が共謀や独占によって起こるわけではない証明 - A.R.N [日記]

    ガソリン価格が上昇すると、経済に無知な人はすぐに、石油会社の共謀や独占力の証拠を見つけようとする。実際には、価格の上昇はそれとは正反対の証拠なのである。共謀者も独占者も、価格を引き上げるのに需要と供給の変化を待つ必要はないのだ。彼らは一年中、私たちからぎりぎりまで絞りとっている。むろんそれは、需要と供給に変化があったほうが彼らもやりやすくなるのだろうから、やはり価格は変動する。しかしそれは相対的にわずかなことである。 独占者には、常に価格に敏感な顧客がついている。なぜなら価格に敏感でなければ、敏感になるまで独占者が価格をつり上げていくからだ。したがって、たとえ市況が変化したとしても、独占者はむしろ価格をあまりつりあげることができない。大きな価格変動は競争の証拠なのだ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4862381596 タイトルにまったくセンスが感じられないのが残念

    価格上昇が共謀や独占によって起こるわけではない証明 - A.R.N [日記]
  • 『プレゼントの経済学』

    ジョエル・ウォルドフォーゲルの『プレゼント経済学』。クリスマスの贈り物をイメージした白と赤のブックデザインもとてもいい。原題はScrooreconomics。つまり『クリスマス・キャロル』のかの守奴銭スクルージと経済学を結びつけた経済学の贈り物だ。編集の方から今朝、贈っていただいたとてもすばらしい著作。 贈り物が贈り主の「よろこばせたい」という動機に反して、貰い手の多くが「うれしくない」と感じてしまい、社会的なムダが発生している、とウォルドフォーゲルは指摘している。このムダは先進国を中心に膨大な金額になる。この贈与経済の分析を、著者は途上国への援助、政府が行う現物給付や日での定額給付金などのようなタイプの現金給付の分析に応用していく。現金が一番贈り物として効率的なのに、現金を贈ることが社会的な規範、宗教上の理由、たんなる見栄などで控えられてしまうことも、贈与経済が非効率的になる原因であ

    『プレゼントの経済学』
    JD-1976
    JD-1976 2009/11/09
    ウォルドフォーゲルのプレゼント経済学って、コーエン『インセンティブ』でも頁を割かれてましたね。
  • タイラー・コーエン『インセンティブ』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    原書を読んでいまして、御を頂戴したにもかかわらず、読むのにちょっと時間がかかってしまいました。どうもありがとうございました。ブログ界で多彩な引き出しをもつ経済学者と知られるコーエンの邦初登場の著作です。彼のブログや様々な雑誌での投稿などが書の基礎になっています。テーマは金銭的なインセンティブという経済学が通常重視するもの以外に、人々の行動を規制する多様なインセンティヴ(文化的なもの、信条的なものなど)を含めて、会議の仕方、デートの方法、便器の上げ下げ、ソ連経済の破たんの原因、子どもの器片付け、セックスが多いほど幸福感が増すのになぜ人は一生懸命にセックスに励まないのか、など様々なテーマを料理していきます。 コーエンのいくつかの専門論文や著作のエッセンスも巧みに導入されていて、コーエン経済学の入門としても最適でしょう。例えば 1 アメリカの美術館は寄付金で運用されているので、美術館は観

    タイラー・コーエン『インセンティブ』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
    JD-1976
    JD-1976 2009/10/27
    おもしろそう。
  • 東谷暁を格付けする。〇点。 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    東谷暁『エコノミストを格付けする』(文藝新書)について 東谷暁自身への格付けは、読者任せでいいということなので、評価を下す。零点。レイテンと読む。これが正しい答えであると思う。理由もあえて書かなくてもいいのだが、まず東谷の議論が公平ではないと思うからだ。彼のエコノミスト採点は、一見すると「公平」ぽいつくりであるが、中味は正直にいえばいったい何を論評したいのか意味がとれないものが多い。 彼の評価の基準は、「「一貫性}=時間を隔てても一貫性のある議論をしているか、「論理性」=その時々の論文あるいは発言のなかで論理性は保たれているか、「データ生」=議論のさいに根拠を提示しているか、「予測力」=提示した予想は当たっているのか、「文章力」=論じるさいの説得力はあったか」であり、それぞれ20点配分で満点が100点である。 まず東谷がエコノミストたちの格付けができるほどの経済学への理解のレベルに欠けるこ

    東谷暁を格付けする。〇点。 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 飯田泰之・雨宮処凛『脱貧困の経済学』祭り中止 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    見たこともない元職場の後輩が群馬にいかない僕を案じて再献していただいたので、後輩思いと飯田重い(なんじゃそれ?)が相乗効果を働かせ、ここで一発、「脱貧困祭り!」とはでにぶちあげるべく、仕事が猛烈に押し寄せるなか、エントリーを作成し、売上に貢献しようとしたがwww どうも即日増刷みたいなので、ほうっておいても大丈夫でしょうwww 閑散とした松尾匡商人祭と違い 世間がかってにやってくれるでしょう(そういえばもっと地味なイタコ祭りも始まるようで… 以下は途中まで書いた書の検討。もういいよね、続き書かなくてw これ以上書くときは、「ペ・ドゥナ遊び」(自由な国雄の民社発行)を出してくれたら考えたい 爆 『脱貧困経済学』を読んだ第一印象は、利権集団・階層間の抗争を格的に導入しないでは、すでに日経済学は何も明示的な解を提供できない可能性が強いということである。書はそういう利害対立=勢力の経

    飯田泰之・雨宮処凛『脱貧困の経済学』祭り中止 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
    JD-1976
    JD-1976 2009/08/24
    興味深い視点。続きが読みたいので「ペ・ドゥナ遊び」刊行を期待しますw
  • 子どもの貧困

    英語圏では最初の研究書かな。Kim KI Duk: On Movies, the Visual Language(Marta Merajver-Kurlat著)。Google Bookで一部しか読んでないけど生い立ちからじっくり書かれている感じ。いままでフランス語でkim ki-dukという論文集(英訳あり)、韓国語原で日語訳はその抄訳である『キム・ギドクの世界 野生もしくは贖罪の山羊』、それと未見だけどイタリア語で一冊キム・ギドクについてのが出ている。日では宮台真司氏が短文を書いているのが目立つぐらいか。 他にはニューヨーク近代美術館でのキム・ギドクの回顧展でのカタログがpdfで利用可能→ここ 僕は過去エントリーでも何回か書いたけれども、キム・ギドクの作品を主に清算主義的心性から見ている。ともかくキム・ギドクの作品は見る決心がつくまでしんどくて、最近の二作は未見のまま。もう少しで

    子どもの貧困
  • ジョセフ・スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」 - 備忘録

    世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す 作者: ジョセフ・E.スティグリッツ,Joseph E. Stiglitz,楡井浩一出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/11メディア: 単行購入: 5人 クリック: 73回この商品を含むブログ (54件) を見る 格差問題に関する日国内での注目度は、ここ数年で非常に高まった。「失われた10数年」以前は、日社会は世界にもまれにみる総中流社会であり、完全失業率も先進主要国の中で比べて低かった。円高不況期には、マクロ経済全体の成長や日の製造業の「国際競争力」が注目された。バブル期に入ると、金融や不動産の分野において高い収益を上げる会社が注目された。所得格差をみても、この時期には、完全失業率が低下する中で所得格差も広がるというこれまでにない特徴がみられる。そして、デフレと長期不況下にあった1990年代後半以降は、経済成長が鈍化し完全失

    ジョセフ・スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」 - 備忘録
  • 『アニマルスピリット』の議論の原型 - 梶ピエールのブログ

    アニマルスピリット 作者: ジョージ・A・アカロフ,ロバート・シラー,山形浩生出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2009/05/29メディア: 単行購入: 11人 クリック: 154回この商品を含むブログ (67件) を見る http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20051118#p2より 先日、UCBの経済学部主催のセミナーで、コーディネータであるアカロフ先生が御大自ら行ったレクチャーを聞く機会があった。「ケインズ経済学の逆襲!」というのは僕が勝手にそう呼んでいるだけで、'the Missing Motivation in Macroeconomics'というのが講演の当のタイトルである。タイトルだけでなく以下の講演のまとめも、あくまで梶ピエールの理解によるものなので、必ずしもアカロフ先生の意図を正確に伝えていない可能性があるが、ご人がこれを読んでク

    『アニマルスピリット』の議論の原型 - 梶ピエールのブログ
  • ポール・クルーグマン『危機突破の経済学』 

    いただきました。ありがとうございます。 クルーグマンが日の政策当局に「謝罪」とか、インタゲを放棄したとか嘘もいいかげんにしろ、と思っていたたんですが、もうそろそろこれで決着でしょう。しかしなんでそういう嘘をついてまでインタゲやクルーグマンをはじめとする日の政策の失敗を指摘する面々への誹謗中傷が、ブログどころではなく、書籍ベースや新聞などでも展開されるのか? 当にこの日的な風土は奇奇怪怪といっていいでしょうね。英語が読めないとか聞き取れないとか、いろいろあるにせよ。 さて題です。書は解説の若田部昌澄さんの言葉にもあるように小冊子ながら「80分間世界経済一周」の旅を約束してくれるすぐれものである。しかも他のではあまり論じられていない、アメリカの「基軸通貨」議論や、日の東アジアの共通通貨圏構想なども検討していて、その過程でのクルーグマンがまだまだ考えをいろいろ思案しているその

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