様々な経済関係の論文・論説・書籍・公表データから感じたことを気軽にメモ風に纏めるブログ。リンク等は御自由に。 『週刊金融財政事情』の特集は「デフレ日本の財政金融政策」ということで、高橋洋一、松岡幹裕、河野龍太郎の三氏が寄稿している。個人的にはこの三つの論考の中で重要だと感じるのは松岡氏による量的緩和政策の評価である。この論考を中心にまとめてみよう。 さて松岡氏の論考は、表題にも掲げた通り、量的金融緩和無効論に対する批判的検討である。この論考のベースは、浜田・原田編『長期不況の理論と実証 日本経済の停滞と金融政策』第二章所収の同氏の論文(日銀理論とは何か:名目短期金利ゼロの下限と金融政策)(同種の論文はESRI DP No.29としても読める)と思われるが、量的金融緩和策無効論についての批判的な検討がなされている。 松岡氏による、量的金融緩和無効論の主張を取り上げてみよう。論説では7つ全ての