韓国のソウル東部地検は11月19日までに、旧日本軍の元従軍慰安婦問題の研究書・『帝国の慰安婦』において元慰安婦女性らの名誉を毀損したとして、著者の朴裕河・世宗大教授を在宅起訴した。一連の事態の流れを整理し、あわせて報道だけでは知ることができない韓国内の雰囲気についても触れていこうと思う。韓国内の雰囲気を理解しなければ、一連の事態の背景にあるものが見えてこないからである。(iRONNA) まずは事態の流れから見渡していく。『帝国の慰安婦』(韓国語版)が出版されたのは、2013年8月であった。出版当初は著書に対する批判は少なく、むしろ好意的な評価がほとんどであった。ところが、昨年6月、元慰安婦女性9人が、『帝国の慰安婦』によって自らの名誉が毀損されたとして、同書の出版差し止めと損害賠償を求めて提訴する。朴教授と著書が批判にさらされるようになったのは、この提訴の後であった。この訴訟は、実質的には