SFの根本に「既存の価値観の問い直し」とか「根源的/相対的問いかけによる固定観念への揺さぶり」とか、そういうものがあるとして、「と学会的冷笑主義」は、単にそれらを軽薄に履き違えた末路なのか、それとも、SFという分野そのものに、抜き難くそうした萌芽が存在しているのか。わからない。
日本のアイドルグループ「欅(けやき)坂46」が着た衣装がナチス・ドイツの軍服に酷似していると指摘され、所属レコード会社側などが「認識不足だった」と謝罪する事態に。アニメに代表されるサブカルチャーの世界で、現実から遊離した戦争や武器があふれる日本と、欧米の歴史意識とのギャップが浮き彫りになった。 発端は10月22日に横浜市内で開かれたハロウィーンイベント。ワシのような紋章付きの黒い帽子と黒いマントを身に着けたメンバーが登場すると会場は大いに盛り上がった。ファンの間でも「格好いい」と好評だった。 だがほどなく、ネット上で彼女たちの衣装が「第2次世界大戦時のナチス親衛隊(SS)にそっくり」という批判が国内外で沸き起こった。 ▽深い傷 ナチス・ドイツによって約600万人のユダヤ人が虐殺されたとされる「ホロコースト」は、欧米の人たちの心に深い傷として刻まれたままだ。1980年代になると、経済停滞を背
10年前のある映画のリストが、今年になって話題になったのをご存知でしょうか。 それは、マーティン・スコセッシ監督が、 映画監督志望の高校生に送った観るべき映画のリストでした。2006年にNYの短編映画のコンテストに応募した高校生のColin Levyさん。 そこで、入賞を果たし、マーティン・スコセッシ監督と会うことができたという。 ところが、Colin Levyさんは、それまでスコセッシ監督のの作品はもちろんのこと、過去の有名な映画さえもほとんど観ていなかった。 そこで、彼は「ぼくは、映画史も外国映画もほとんど知りません。これから映画製作始めるに当たって、アドバイスをいただけますか」とスコセッシに質問したという。 そして、数か月後、Colin Levyさんあてに届いた封書。 そこには、数冊の本とDVDと共にスコセッシのアシスタントによる直筆のメッセージが添えられた39本の外国映画のタイトル
前口上 シン・ゴジラは映像の快感に満ち満ちた作品であった。何度となく繰り返される政治家や官僚たちの会議、自衛隊による整然としたゴジラへの攻撃、ゴジラを襲う無人在来線爆弾と高層ビル、そして鳥肌が立つほど美しいゴジラの熱線放射。どれもこれも素晴らしかった。 本作を特異なものとしたのが、作品が社会現象として捉えられ、多くのシン・ゴジラ論が語られた点にあるだろう。教義の映画のレビューではなく、特集連載を掲載した日経ビジネスオンラインを典型として、「シン・ゴジラ論壇」は活況を呈した、あるいは呈するように仕向けられた。今しばらくこうした状況は続きそうな様子である。 おそらく2016年を振り返るとき、無視できない作品となったシン・ゴジラであるが、わたしは8月頭に一回目を見たときから耐え難い違和感があった。しかしながらそれを文章化することにはためらいがあった。わたしがためらいを感じたのは、違和感という名の
アニメ作品の中には明らかに「女の子向け」「男の子向け」のものがあって、それは社会が性別で子どもたちの世界を引き裂いていくひとつの仕掛けになっている――中野円佳さんが自身の「セーラームーンを観なかった」ことによる記憶を振り返りながら考えます。 前回のコラム「アニメの中の大人は『女性=ママ』」で、アニメで描かれる大人の男女に対する子どもの反応を書きました。私自身の子ども時代は、いわゆるセーラームーン世代。ところが実は私は幼少時、女の子たちの間で大流行していたセーラームーンを見せてもらえませんでした。このことがその後の私を大きく方向づける出来事になったと感じています。 私は、親から「女の子らしくしなさい」というようなことを言われたことがありません。小さいころの写真を見ると「スカートのときは足を開かない」という最低限のお行儀すらできておらず、一応スカートを履いていることはあってもまったく女の子らし
君の名は。について、(たぶん)どこよりも詳しい解説を書いてみました。 君の名は。が、多くの人々の予想を超えてメガヒットしたせいで、「凡作が宣伝工作のお陰でヒットした」とか、「ヒットしたから連鎖的にヒットしただけで中身は無い」という説をとなえる人が増えてきたように思います。たくさんの人が見ているため「あそこの描写が不十分だ!」「ここに矛盾がある!」などといったツッコミも目に見えて増えてきました。 君の名は。は、全体的なあらすじはシンプルですが、細部には、初見では意図が読み取れないような謎の描写が多数あります。この作品は、表面上シンプルにみせかけつつも、実は裏にもっと深いテーマをもった作品です。予想以上にメガヒットしたせいで、逆に凡作認定されるというのも、なんだか忍びないと思いまして、私の分かる範囲で作品の裏に隠されたものついて分析してみました。これから、君の名は。を、2回、3回と観る人にとっ
子ども向けのアニメで指摘されるジェンダーバイアスの問題。女の子や女性の描かれ方に違和感を覚えたことがある方もいるのでは? 子どもと一緒に人気番組を見て考えたことを中野円佳さんが3回に渡って綴ります。 子どもが見るアニメやテレビ番組を見ていて、女の子や女性の描かれ方に違和感を覚えることが多々あります。数回にわたって書いてみたいと思いますが、今回は大人の男女の登場の仕方です。 気になりだしたのは我が子が3歳のとき。当時のお気に入りはドラえもんでした。妹が産まれてから、夫と息子、私と娘というセットで出かけることが多くなっていました。そのことを息子は「おとこのこチーム、おんなのこチーム」と呼んでおり、ある日久しぶりに私と彼の2人で出かけたときに「きょうはおとこのこチーム、おんなのこチームじゃないね!」と言うので、「別にいいじゃん、どんな組み合わせでも」と返すと、こんな会話になりました。 子「そうだ
鹿児島県志布志市は、この度、ふるさと納税返礼品のうなぎをPRするために動画を制作し、2016年9月21日(水)よりYou Tubeにて動画を公開しております。 あまり知られていませんが、鹿児島県はうなぎ生産量日本一を誇ります。その鹿児島県でナンバーワンの産地が大隅半島の最東部に位置する志布志市です。志布志市の地下水はミネラル分も多く、なんと言っても水量も豊富であるため、うなぎの養殖には非常に適しています。 昨年度の志布志市ふるさと納税額は、7.4億円で全国41位、県内3位でしたが、今年度は、目標を20億円とし、すでに5.7憶円(4-7月実績)と現状、県内トップで推移しています。また、志布志市のふるさと納税返礼品のなかでうなぎが占める割合は約75%と圧倒的な人気を誇っています。 この動画では、うなぎを擬人化し、志布志でうなぎが大切に育てられている様子を描いています。 物語は、真夏のプ
2016年現在にアラサーとして生きる女たちがハマった漫画といえば『美少女戦士セーラームーン』。セーラームーングッズが量産されるたびに「あっうちらの財布ターゲティングされてる☆」って思う。まあ実際、六本木でやっていたセーラームーン展は最高でした。つけまつげコンプしたしね。 しかし、こと恋愛においていえば、アラサー世代が懐古するのは『彼氏彼女の事情』と『フルーツバスケット』だと思う。 彼氏彼女の事情 1 (花とゆめコミックス) 作者: 津田雅美 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2013/07/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る フルーツバスケット 1 (花とゆめコミックス) 作者: 高屋奈月 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2013/07/17 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 『花とゆめ』『LaLa』といえば中高生時代に友達から貸し
安倍晋三首相 内閣総理大臣の最も重要な責務は、国民の命、平和な暮らしを守ることだと考えています。自衛隊の皆さんが24時間、365日、厳しい環境のもとで黙々とこの責務を果たしていることに敬意を表したい。私はこの半月ほどで政府専用機で地球2周分の距離を動きました。行く先々で自衛隊のグローバルな活躍を再確認し、世界の平和と安定のため汗を流している皆さんを大変誇らしく思いました。 このような現実の世界のみならず、今話題の映画「シン・ゴジラ」でも自衛隊が大活躍していると聞いています。私と官房長官は、短期間のうちに死亡するそうです。官房副長官は生き残っています。統合幕僚長以下、自衛隊員の皆さん、格好良く描かれているとうかがっています。このような人気もまた、自衛隊に対する国民の揺るぎない支持が背景にあるのだと思います。(自衛隊幹部との懇親会で)
地の上にはこれと並ぶものなく、これは恐れのない者に造られた ――ヨブ記41.33 近代国家を聖書に出てくる大怪獣リヴァイアサンに喩えたのはホッブズであった。ホッブズによれば、人間の自然状態は万人の万人に対する闘争であり、そこに安息は無い。従って人間たちは自らの権利を国家へと委譲する契約を結び、国家の保護を得る。保護と服従の関係が、国家と国民の関係を規定する。国家はその領域において唯一の主権的共同体である。 カール・シュミットは、『政治的なものの概念』において、国際社会を複数のリヴァイアサンが競合する多元的な空間として考えている。国際間においては、国家の国民に対する保護は、他の国家からの保護でもある。むしろ国民は他の国民に対抗するために国家をつくる。国民の結集は、「政治的なもの」によって行われる。つまり、友と敵の存在論的な区別によって行われる。国家の主権者は、政治の概念に即して、国家の敵を正
ネコ漫画の軛(ねこまんがのくびき)とは、実話系漫画の中でかなりのパーセンテージを誇るネコ漫画が直面する、ごく当たり前でどうしようもない話である。 ちなみに「くびき」とは、農耕の際に牛や馬の首に取り付ける器具のことで、転じて自由を束縛するもの、行動を制限するものを差す。 概要[編集] 大昔より、自分の飼っている猫を主人公とした作品は数多く存在しており、物語や楽曲、美術作品においても猫の姿は極当たり前の存在として表現されている。これは、猫という存在がいかに愛玩動物として優れているかの証明であると同時に、世界中の表現者たちが、一往にして猫という存在のクビキにかかっていたことを表す話でもある。 猫というもの[編集] 愛玩動物になる前、すなわち害獣であった鼠を狩るための存在として人類になくてはならない存在だった時代の猫については、特に語ることはない。ここでは、あくまで20世紀後半より生じた一大猫漫画
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く