朝鮮戦争当時の空中戦を振り返るエフゲニー・ペペリャエフさん=モスクワ、西村写す ※写真をクリックすると拡大します 北朝鮮と韓国、それぞれの後ろ盾となった中国軍と米軍がぶつかった朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)から60年を迎えた。だが、ソ連のパイロットが参戦していた事実はあまり知られていない。第3次世界大戦を誘発しかねないソ連軍の参戦は極秘にされ、パイロットはカムフラージュを施して身分を隠した。近年、ようやく明らかになってきたソ連人パイロットらの活動の軌跡を追った。 昨年末に全面的に対外開放された中国・旅順(現・大連市旅順口区)に、ロシア人墓地がひっそりと横たわる。その片隅に、赤い星を飾った墓石がずらりと並ぶ。戦闘機の彫刻が施され、死亡年はいずれも1950年から53年。朝鮮戦争で戦死した202人のソ連人パイロットの墓である。彼らとともに米軍機と空中戦を繰り広げた元パイロットが、ごく少数ながら