エルサレムの聖なる高台で輝く岩のドームは、祈りと抗議の場となっている。大規模な修復作業と考古学調査で、その起源を解き明かす新たな手がかりが見つかっている。(PHOTOGRAPH BY ZIYAH GAFIĆ) イスラム教第3の聖地である岩のドーム。争いの火種がくすぶるエルサレムの高台で、特別な調査を許された学者たちがその秘密に迫る。 「それを目にした者は誰でも、自分の表現力の乏しさを痛感するだろう」 これは1326年にエルサレムを訪れた旅行家のイブン・バットゥータがつづった驚嘆の言葉だ。 「それ」とは、エルサレム旧市街にある高台の中心に立つ「岩のドーム」のこと。ユダヤ教徒とキリスト教徒が「神殿の丘」、イスラム教徒が「ハラム・アッシャリーフ(高貴な聖域)」と呼ぶ高台で、創建時から1300年以上もの間、王冠にはめ込まれた宝石のように荘厳な輝きを放ってきた。 肌寒い冬の朝、長いコートを着てヒジャ