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ブックマーク / courrier.jp (196)

  • 「ロシアが天然ガスの供給を止めたら、もっとも影響を受けるのはこの国だ」──英誌の予測 | 日本の先例をうけて原発を止めた代償か

    「ガス完全遮断」の可能性はゼロではない これまでの常識で考えれば、ロシアが欧州へ供給するガスを遮断するということはほぼあり得なかった。欧州で消費されるガスのおよそ3分の1はロシアからのものであり、ロシアにとって貴重な収入源だからだ。ロシアのエネルギー政策にくわしいターン・グスタフソン政治学教授(ジョージタウン大学)は「冷戦のさなかにあっても、ロシアはガスの輸出をやめることはなかった」と指摘する。 だが、同氏は現代において「プーチン大統領がガス栓を止める可能性はゼロではない」とも付け加える。いまのロシアには、ある程度の蓄えがあるからだ。 ロシアの国営企業「ガスプロム」は、天然ガスの供給において世界最大手の存在だ。同社が仮に欧州全土へのガス供給を停止した場合、1日あたり2億2800万ドル(約262億円)の損失を被ると試算されている。ロシアの禁輸出政策が3ヵ月続くとすれば、想定される減益は2.2

    「ロシアが天然ガスの供給を止めたら、もっとも影響を受けるのはこの国だ」──英誌の予測 | 日本の先例をうけて原発を止めた代償か
  • なぜ世界で「日本のジャズ」人気が高まりつつあるのか─数十年の時を経て“再発見”される名盤たち | ジャパニーズ・ジャズの歴史を英紙が紐解く

    におけるジャズ文化の萌芽 日のジャズの物語は、音楽とムーブメントについての物語であるとともに、ある国で共有された「気分」についての物語でもある。第二次世界大戦後、より良い未来への大胆なビジョンが、ピアノやドラム、金管楽器の音色となって表現されたのだ。 ジャズは、疑いようもなくアメリカ生まれの芸術様式だ。それはヒップホップと並ぶ、アメリカ文化面で成し遂げた最大の功績といえる。日では、1920〜1930年代に、アメリカ人のジャズミュージシャンが東京、神戸、大阪のクラブを巡業するなかで、健全なジャズシーンが形成されていった。 しかし歴史的に、日はあくまで「島国」だった。外界との接触を2世紀以上にわたって厳しく禁じた鎖国政策がついに終わりを迎えたのも、1850年代になってからのことだ。

    なぜ世界で「日本のジャズ」人気が高まりつつあるのか─数十年の時を経て“再発見”される名盤たち | ジャパニーズ・ジャズの歴史を英紙が紐解く
  • 「分散型」のWeb3が分散ではなく“中央集権”を加速させてしまう理由 | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」

    スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」 「分散型」のWeb3が分散ではなく“中央集権”を加速させてしまう理由 まさかTwitterを去りしジャックに、これほど感謝する日が来ようとは。進歩の鍵は「上流階級の裏切り者」が握っているものだ。軍産複合体に警鐘を鳴らす将軍しかり、嘘つきの経営陣を告発するプロダクトマネージャーしかり。そして、シリコンバレーの白人の掟──互いに批判せず、世界を救うという崇高な使命にケチをつけない──を破るテックリーダーもまたしかり。 ジャック・ドーシーは剣を抜き、支配力を結集して分散化の見込みから利益を得ようとたくらむ同業者に狙いを定めた。単刀直入にいうと、「Web3」に非難を浴びせたのだ。 あなたは「web3」の所有者にはなれない。 所有するのはベンチャーキャピタルと、彼らのリミテッドパートナーだ。彼らのインセンティブを逃れることは決してできない。Web

    「分散型」のWeb3が分散ではなく“中央集権”を加速させてしまう理由 | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
  • 大学は誰のためにあるのか─オックスフォード大学が羊飼いの自分に教えてくれたこと | すべての大学受験生に贈る

    映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でマット・デイモン演じる労働者階級の天才が、バーにいるお高くとまった学生連中に、自分のほうがはるかに学識があることを見せつけて恥をかかせるワンシーンがある。 学生連中は天才の友達のあか抜けない愚かさをからかっていたが、しっぽを巻いて退散する羽目になる。 自分は天才ではない。だが、そのシーンの社会的な力学については多少わかる。似たような経験があるからだ。 友達は全員15か16のときに肉体労働の仕事に就いた。自分らにしてみれば、学生連中は中産階級のガキで働きもせず、「ユニ」(ユニバーシティの略)に行くしかないやつらだった。 やつらは地元には二度と帰ってこなかった。帰ってきたとしても、自分らに威張り腐るためだけに戻ってきた。やつらにしてみれば地元は、抜け出すべきクソみたいなところだった。 やつらの世界では、誰もがベラベラ延々としゃべっていた。まるで自分

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  • 我が子の日記に「銃乱射計画」を見つけたらどうするか──親がとるべき「正しい行動」とは | 銃社会アメリカの現実

    学校での銃乱射事件がたびたび起こるアメリカだが、専門家によればこうした事件にはたいてい前触れがあるという。しかし多くの場合、加害者となる子供が見せる危険なシグナルを、大人は見て見ぬ振りをしてしまう。我が子の暴力性や恐ろしい計画に気づいたとき、親は子供の凶悪犯罪を止められるのか──。 ギターケースの中にライフル銃 キャサリン・オコナーは、孫のジョシュアが赤いノートに日記をつけているのを知っていたが、読んだことはなかった。だがその日、初めてページをめくったとき、彼女は自分の目を疑った。 「学校での銃乱射」──ジョシュアは1ページ目にこうタイトルをつけていた。その下には、13人が犠牲になったコロンバイン高校銃乱射事件の再現が描かれている。18歳になったばかりの孫は、続くページに自分流の大量虐殺計画を綿密に書き記していた。 散弾銃、ピストル、アサルトライフルは購入し、爆弾は自作する。「クソ女たちが

    我が子の日記に「銃乱射計画」を見つけたらどうするか──親がとるべき「正しい行動」とは | 銃社会アメリカの現実
  • マイケル・サンデルの指摘 「能力主義社会の“勝者”たちが手際よく成果を残したとは言えない」 | 「テクノクラシー化」への警告

    理想的な能力主義が実現しても“ダークサイド”はある ──著書『実力も運のうち 能力主義は正義か?』では、私たちが暮らす民主的な社会に取り入れられてきた能力や功績(メリット)という概念が凝結し、それが社会的敬意を根っこから蝕んでいると論じています。 具体的には、能力主義によって「勝者は自分たちの成功をみずからの手柄と考え、敗者はエリートから見下されていると感じるようになった」と主張されています。能力主義社会ではどうすれば勝者になれるのでしょうか。逆に言えば、能力主義社会における敗者とはどういう状態、どういう人なのでしょうか。 重要なのは、有能という(望ましい)意味の「メリット」と、「メリトクラシー(能力主義)」を区別することです。能力主義とはルールからなるシステムであり、人が何に値するかに基づいて所得や資産、影響力を分配する手段です。 まずは、きわめて常識的で反論の余地がない有能さとしてのメ

    マイケル・サンデルの指摘 「能力主義社会の“勝者”たちが手際よく成果を残したとは言えない」 | 「テクノクラシー化」への警告
  • 市民ランナーの間で話題の「ストリーク」って? 大切なのは「毎日続けること」 | まずは1日10分のランニングを2週間から

    1日1マイル(1.6km)のランニング継続で人生はどう変わるのか? 近年、市民ランナーの間で「ストリーク」の人気が高まっていると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 ランニングにおける「ストリーク」とは、1日1マイル(1.6km)以上のランニングを毎日続けることを指す。走る距離も場所もペースもその人次第。1日1マイル(1.6km)以上であれば、10分でも1時間以上でも構わない。その日その時の体調に合わせて、好きなペースで走れば良い。 要するにストリークとは、とても個人的な挑戦であり、自分との約束であり、とにかく2週間でも1ヵ月でも自分で決めた期間を「毎日続けること」、自分に責任を持つことに意味がある。

    市民ランナーの間で話題の「ストリーク」って? 大切なのは「毎日続けること」 | まずは1日10分のランニングを2週間から
  • そこまで努力しないで生活をちょっと改善する100の方法 | 英紙が元旦に紹介

    世界中で新年の抱負や目標が掲げられている頃だが、それを継続するのはなかなか……「三日坊主」もどうやら世界共通らしい。そこで英紙「ガーディアン」が紹介するのが、そこまでがんばらなくても生活がちょっとよくなる100の方法だ。全部やる必要はもちろんないが、新たな年にどれか実行できそうなものはあるだろうか? 1. 月曜の夜に運動せよ(月曜の夜に楽しいことは起きないから)。 2. 購入を決めかねているなら、買うまで72時間待て。 3. スーパーのレジではいちばんてんこ盛りのショッピングカートの直後に並ぶのが常にいちばん速い(品が少なくても人が多ければ、あいさつ、会計、袋詰めにあんがい時間がかかる)。 4. 職場と寝床に果物を持っていけ! 5. 週4日勤務を検討せよ。5日目の仕事はどのみちおそろしく課税されがちだから、手取りの5分の1を税で持っていかれるよりはマシだ。 6. ケンカするとき、感情的な弱

    そこまで努力しないで生活をちょっと改善する100の方法 | 英紙が元旦に紹介
  • 哲学者ハン・ビョンチョル「完全な支配は、人々が遊びに興じることで成立する」 | 「疲労社会」に生きる現代人

    デジタルの世界で、私たちは搾取されている。「よくない」と頭ではわかっていても、実際はスマートフォンを片時も離さず、少しでも暇があればSNSをチェックし、他人との比較に余念がない。現代がモノで溢れかえる一方、私たちは「非物質」に取りつかれ、安定性を失っていると、哲学者ハン・ビョンチョルが警鐘を鳴らす。 私たちが手で触れ、匂いを嗅ぐことができるモノたちの、原子と分子から成る「物質界」は、情報社会つまり「非物質世界」へと、眩暈(めまい)がするように溶解しつつある。 そう指摘するのは、韓国生まれのドイツの哲学者ハン・ビョンチョルだ。私たちは、なおこの「非物質」を求め、購入し、販売しており、それらは私たちに影響を及ぼし続ける。 デジタルの世界は、私たちがまだ現実世界とみなしているものと異種交配して混ざり合い、人間をかつてないほど触れがたく、はかない存在に変えている。 最新の著作『非物質:現代社会の破

    哲学者ハン・ビョンチョル「完全な支配は、人々が遊びに興じることで成立する」 | 「疲労社会」に生きる現代人
  • オードリー・タン「大臣になって一番大変だったのは心に侵入するウイルスに対処すること」 | 台湾独自のフェイクニュース事情も

    35歳の若さで台湾の蔡英文政権に入閣し、デジタル担当大臣としてのコロナ対応も担うオードリー・タン氏。迅速なコロナ対応が話題となったが、中東メディア「アルジャジーラ」のインタビューに語ったのは、コロナ以上に深刻な課題だった──。 ──台湾でのコロナ対策は世界的に見ても迅速でした。コロナの「接触履歴追跡システム」の開発など、デジタル面でコロナ対策にどのように関わったのでしょうか。 私の力というよりも、「g0v」(gov zero:市民社会や政府のプロジェクトに取り組む活動家のオープンソース運動)のコミュニティの成果物の一つです。ポイントはアプリを使わないシステムにしたことです。台湾では、高齢者を含む大半の人が、携帯電話やスマートフォンを持っています。しかし、およそ2割の人がアプリをダウンロードしてインストールし、使いこなすスキルを会得していません。 そのため、国内で最もポピュラーなコロナ対策ア

    オードリー・タン「大臣になって一番大変だったのは心に侵入するウイルスに対処すること」 | 台湾独自のフェイクニュース事情も
  • ペニスと乳房を持つ「眠れるヘルマプロディートス」は何を語るのか | 歴史を学ぶことはツイッター上での議論と似ている?

    ──古代ローマなら安全に議論ができるとのことでしたが、最近は古典学が白人至上主義と切っても切り離せない関係にあるという主張が出てきており、それをめぐる論争も起きています。 古代ローマ、そして古代ギリシャの一部がファシズム、独裁制、白人至上主義の正当化に使われたことは間違いありません。 古代の奴隷は19世紀の使用人のようなものだったと、事実が漂白されることもありました。 古代世界の見たくない部分を見ないで済ませるのはみんなが得意でしたし、古代世界をだしに使って身の毛もよだつようなことを正当化するのもみんなが得意でした。 ファシズムが台頭したのは古典学のせいではない ただ、最近はある特定の学問の「有害性」をことさら大きく書き立てる傾向があるように思えます。 どんな学問も文化の外に存在することはできませんから、もちろん古典学にもそれが悪用された歴史はあります。それは原子物理学や人類学にも悪用の歴

    ペニスと乳房を持つ「眠れるヘルマプロディートス」は何を語るのか | 歴史を学ぶことはツイッター上での議論と似ている?
  • 村上春樹とTシャツと──モノと人との、切っても切れない関係性への考察 | モノを生かし、モノに生かされる人生

    11月23日に英語版が発売された、村上春樹のエッセイ『村上T 僕の愛したTシャツたち』。「控えめなTシャツへのラブレター」とも言えるその言葉の連なりからは、私たちがいかに身の回りのモノを生かし、またそうしたモノたちに生かされているかが見えてくる──米誌「アトランティック」による、モノと人との切っても切れない関係性への考察。 ノベルティーTシャツの2つの役割 ノベルティーTシャツの愛好家、かつ、生まれついての収集家である私は、長いことTシャツを集めてきた。1990年代、家族で「ベン&ジェリーズ」のアイスクリーム工場に行ったときには、派手なタイダイ柄のTシャツを手に入れたし、最近では、パンデミックのさなかに出会った濃い緑色の長袖Tシャツがある。りんごのケーキで有名なトロントのレストラン「ミスティック・マフィン」のものだ。タイダイ柄の方はどこにしまい込んだか忘れたが、緑色の方は涼しくなるといつも

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  • 「自分のドッペルゲンガーと大親友になりました」─顔だけでなく、人生までそっくりだった2人 | おそろいの衣装で詩の朗読会も

    ニール・リチャードソンは、引越し先でしょっちゅう「ジョン」なる人物と間違われた。ついに出会った物のジョンは、見た目が瓜二つであるだけでなく、あまりにも多くの共通点があると判明。そんな二人は今、かけがえのない友情を楽しんでいる。 ジョンって誰ですか? 2013年、のマリオンと私は、娘と孫が住んでいる場所にほど近いエセックス州ブレインツリーに引っ越した。そこでは、とてもフレンドリーな地元の人たちがいたので感心した。知らない人でも、道ですれ違うと手を振ってくれることがよくあったのだ。 「こんにちは、ジョン!」と挨拶してくれる人もいた。私の名前はニールなのだが、まあそれは放っておいた。 あるとき、カフェにいると、1人の男性がこちらに来て「ジョン・ジェミソンさんですよね?」と話しかけてきた。

    「自分のドッペルゲンガーと大親友になりました」─顔だけでなく、人生までそっくりだった2人 | おそろいの衣装で詩の朗読会も
  • 「町の本屋さん」をアマゾンから守れ! フランスが配送“実質無料”禁止へ新法 | 書店は文化的産物だから | クーリエ・ジャポン

    オンラインの大手書店の台頭などのため、日でも「町の屋さん」がどんどん減っているというニュースが報じられているが、そんな状況は諸外国でも同じようだ。 しかし、フランスでは個人が運営する独立系の書店を「文化的産物」と位置づけ、さらなる保護策を打ち出した、とこれまでの歴史を振り返りながら、米紙「ワシントン・ポスト」が報じている。 アマゾン配送料たった1セント フランスの新法は、とてもフランスらしい方法で、独立系書店を保護しようとしている。アマゾンなどの大手小売による割引を相殺するため、書籍配送に最低価格を義務付けるというものだ。 フランスでは、書店は必要不可欠な業種だ。少なくとも、フランスで3度目の新型コロナウイルスによるロックダウンが行われた際には、そうとされた。 文化的産物としての独立系書店の保護は、国家の優先事項でもある。1981年に制定された法律では、書籍は一定の価格で販売し、5%以

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  • マイケル・サンデル「能力主義から離れ、仕事の尊厳について考えてほしい」 | 格差と分断を助長する「能力主義」

    能力主義にはダークサイドがある ベトナム戦争真っただ中の1971年、2400人のカリフォルニアの学生を前にロナルド・レーガンとの討論に挑んだ18歳のマイケル・サンデルは、早くも敗北から教訓を得た。現在ハーバード大学で政治哲学を教えるサンデルは、そのときの様子をこう振り返る。 「私は高校時代に培った最高のディベートスタイルでレーガンに容赦なく質問を浴びせましたが、まるで暖簾に腕押しでした。レーガンはどんな質問も軽くかわし、ユーモアたっぷりに自分の見解を披露しつつも、長髪の若造に敬意を払うことを忘れませんでした。 そのときの経験から学んだのは、政治的なディベートは議論の中身で勝つことが主眼ではないということです。ディベートの核心はレトリックであり、耳を傾けることであり、人間的なレベルで相手とつながることなのです」 以来、その教訓がサンデルのディベート手法を形成している。サンデルはそのキャリアの

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  • スティーブン・ピンカー「世界の破滅の時が近づいているように思えても、それは勘違いだ」 | 人はどうすれば合理的に考えられるようになるのか

    極めて暗く、不可解に感じることが多いこの不確かな時代、スティーブン・ピンカー(66)は「前向きな声」として突出してきた。これはピンカーにとって好都合なことだった。彼の著書である『暴力の人類史』(2011年)や『21世紀の啓蒙 : 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』(2018年)はベストセラーとなり、ハーバード大学の認知心理学者である彼をアカデミックな世界を超えて、広く一般に知られる知識人にしたからだ。 だが一方で、彼の著書は、批判も少なからず生んだ。なかでも、ピンカーの世界観は、行きすぎた資主義の肩を持ちすぎであり、また現在も多くの人が直面している深刻な苦難に対してあまりに冷たい、というのはよく聞かれる批判だ。 そんなピンカーの新著で、米国では9月28日に発売された『合理性:その質・希少性・重要性に迫る』(未邦訳)はさらに物議を醸しそうな大きなテーマに取り組んでいる。 「人は非合理的な

    スティーブン・ピンカー「世界の破滅の時が近づいているように思えても、それは勘違いだ」 | 人はどうすれば合理的に考えられるようになるのか
  • スティーブン・ピンカー「広範なセーフティネットのない裕福な民主主義国家など、存在し得ない」 | 「不公平」と「格差」はどちらも倫理的に間違っているのか?

    客観的に正しい答えはない ──社会の規範を変えることについて言及されました。あなたご自身が経験された、学界で展開されている「言論の自由」をめぐる争い(※1)が「新しい規範ができるまでの産みの苦しみに過ぎないかどうか」はどのように知ることができるでしょう。またその規範が最終的に良いものか悪いものかは、どう判断すればいいのでしょうか。 ※1 2002年、ピンカーのツイートや著書のなかの表現の一部が人種差別的だとして、教授陣をはじめとする550人以上もの人が、ピンカーをアメリカ言語学会の「アカデミック・フェロー」から除名することを求める公開書簡に署名。だが学会はこの要求を退けた。 こうした争いは明らかに、新しい規範のあり方を反映しているものです。それが真実を促進するものかどうかを判断する方法は2つあります。 1つは、それが何を奨励し、何を罰するものかを分析することです。たとえば、科学の規範がそう

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  • 植民地の歴史に消えた、アフリカ・ベナンの世界唯一の「女だけの最強軍隊」 | 孫たちの証言を通じ、女戦士たちの記憶を現代に留める

    近世、現在の西アフリカ・ベナンを支配したダホメ王国には、世界でも珍しく、女性だけで構成される軍隊があった。同国の植民地化で同軍も歴史から消え去ったが、女戦士たちの生きざまについて記録するプロジェクトが現在進んでいる。 女戦士たちに関するわずかな記録 彼女の祖母は、人の頭をカーブした刃で切り落とすことができ、とげだらけの壁を越えることもできた。そして祖母は王を守るために一生を捧げた。 年老いた女性の語ったこれらの証言は、外国人探検家のメモにも記された。しかし、近代史唯一の女性だけの軍隊であるダホメ王国の女戦士たちについて、全体像を捉えることはできていなかった。 研究者たちは何十年もかけてヨーロッパや西アフリカの古文書を調べ上げ、フランスの将校、イギリスの商人、イタリアの宣教師の手記から、その姿を明らかにしようとしてきた。

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  • 「私たちは歴史のなかでゆっくり死んでいく」アフガン少女の“涙の動画”に胸が張り裂ける | 絶望のなかで世界に語りかける

    「私たちはアフガニスタンで生まれたという理由で、その命に価値はないとされるのです」 反政府勢力タリバンが復権したアフガニスタンの少女が涙ながらに絶望を語る動画が、人々の心を打っている。 三つ編みのおさげ姿の少女は、その瞳から涙をとめどなく流しながら、カメラの向こうにいるであろう人々に呼びかけるようにして訴える。 「私たちに価値はありません。なぜなら私たちはアフガニスタンで生まれたから。もう涙をこらえることができません。この動画を撮るために涙をふかないといけないけれど……。誰も私たちのことを気にかけてはくれない。私たちは歴史のなかでゆっくり死んでいくでしょう。おかしな話でしょ?」 "We don't count because we're from Afghanistan. We'll die slowly in history" Tears of a hopeless Afghan gir

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  • 「原爆の脅威」を隠蔽しようとした米軍のウソを暴き、歴史を変えた黒人記者 | 米軍に科学とファクトで立ち向かったチャールズ・ローブ

    戦後、米政府は原爆の放射線被害を否定し、名ばかりの調査団を広島へ送って隠ぺいに努めた。そんな大営発表を全米各紙が鵜呑みにするなか、ひとりの黒人記者だけは科学とファクトで当局の嘘を暴いた。彼の名はチャールズ・ローブ。歴史に埋もれたスクープ記事とその功績を振り返る。 日への原爆投下と人種の関係 「ローブが原爆投下地を考える」──。1945年10月5日付の「アトランタ・デイリー・ワールド」紙にそんな見出しの記事が載った。広島が焦土と化してから2ヵ月後のことである。 黒人新聞の世界ではローブという名前だけで読者を惹きつけるのに充分だった。 チャールズ・ローブは黒人の従軍記者だった。第二次世界大戦中に彼が書いた記事の数々は全米黒人新聞協会を通じて全米各地の新聞に配信されていた。 ローブが冒頭の記事で伝えたのは、原爆で放出された死の放射線が、いかに広島市民の身体を蝕み、殺したのか、ということだった

    「原爆の脅威」を隠蔽しようとした米軍のウソを暴き、歴史を変えた黒人記者 | 米軍に科学とファクトで立ち向かったチャールズ・ローブ