政府は19日、2008年度版農業白書(食料・農業・農村の動向)を閣議決定した。食料自給率の向上を最重要課題に掲げてきたが、国内農業の食料供給力を表す「食料自給力」という概念を初めて公式に打ち出し、従来の方針を軌道修正した。 世界的な食料需給は当面、逼迫(ひっぱく)すると予測。輸入依存度の高い麦・大豆への転作や、米粉の需要拡大などで作付けされていない水田をフル活用し、食料自給力を強化することが必要だと指摘した。 07年度のコメの1人当たりの年間消費量は前年度比0.4キロ増の61.4キロ。凶作後の反動増があった1995年度を除き、62年度(118.3キロ)以来の増加となった。 食料自給率(カロリーベース)も40%に回復した。政府は15年度までに45%に上げる目標を掲げるが、「国内生産力が高まった結果として食料自給率が上向く」という前提条件を初めて示した。 世界同時不況で雇用情勢が急速に