駅員が一日中いない「無人駅」の割合が、東京都や大阪府で1割に上ることが国土交通省がまとめた都道府県別データで明らかになった。無人駅の割合は地方ほど高い傾向にあるものの、利用者の多い都市部にも広がっている実態が浮き彫りになった。乗車時や緊急時にサポートが必要な障害者の日常生活に影響しかねず、国は今後、無人駅について鉄道事業者が取り組むべきことを定めたガイドラインを策定する方針だ。 都道府県別の無人駅のデータを国交省が明らかにするのは初めて。全国には…
駅員が一日中いない「無人駅」の割合が、東京都や大阪府で1割に上ることが国土交通省がまとめた都道府県別データで明らかになった。無人駅の割合は地方ほど高い傾向にあるものの、利用者の多い都市部にも広がっている実態が浮き彫りになった。乗車時や緊急時にサポートが必要な障害者の日常生活に影響しかねず、国は今後、無人駅について鉄道事業者が取り組むべきことを定めたガイドラインを策定する方針だ。 都道府県別の無人駅のデータを国交省が明らかにするのは初めて。全国には…
視覚障害者の富岡宜喜さんにとって、電車に乗り込む時には転落などの危険がある=栃木県足利市のJR山前駅で2020年11月18日午前10時16分、五十嵐朋子撮影 駅員が終日不在となる「無人駅」の割合が地方ほど高い傾向が明らかになった。こうした無人化の影響を最も受けるのが、体に障害がある人たちだ。列車の乗り降りに介助が必要な車いす利用者からは「普通の社会生活が送れない」と悲痛な声が上がる。【五十嵐朋子、山本佳孝】 障害者「転落したら…」と不安 東京駅から北へ約80キロのJR山前駅(栃木県足利市)。11月のある日の午前、1時間に1本の列車がホームに滑り込んできた。4、5人の乗客が乗り込んで出発したが、列車を見送る駅員の姿はない。両毛線が走るこの駅は2019年3月に無人化され、窓口はシャッターが下りたままになっている。 市内に住む全盲のパソコン講師、富岡宜喜(のぶき)さん(47)は通勤で週3日ほど、
新型コロナウイルスの感染拡大で、非正規雇用労働者らはより苦しい立場に追い込まれている。どのような対策が求められるのか。NPO法人ほっとプラス理事で「生存のためのコロナ対策ネットワーク」共同代表の藤田孝典さんに聞いた。【聞き手・堀和彦】 ――失業率が上昇傾向にあります。 ◆失業まで至らない、いわゆる「半失業」状態の人が多いことがむしろ問題だ。最低賃金でも働きたい、働かせてくださいという人が日本にはたくさんいる。本当は休業手当を受給する方が助かるのに、シフトを減らしながらでも我慢して会社にしがみつく人も多い。失業給付や休業手当を受給する方がよいケースがとても多い。給料を6~8割ほど減らされてとても暮らせないのに、日本は社会保障が不十分なので頼りにできない。「こんな仕事なら辞めたい」と本当は言えなければいけないし、失業給付もそれに見合う水準でなければいけない。 ――雇用の分野で浮かんだ課題は。
本質覆う「分断」ひとくくり 果たして、問題は「分断」なのだろうか――。米大統領選をめぐり、選挙期間中はもちろん、開票が進む過程でも、米国社会が抱える問題の象徴として、この「分断」という言葉が聞かれた。当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領の勝利演説でも、「分断ではなく結束を目指す」という形でこの言葉が繰り返された。そのことに違和感を覚えて、東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)に國分功一郎准教授(46)を訪ねた。 「言葉遣いとして雑だ、ということです。何をイメージしているかが明確でない『分断』という言葉を使うことで、まるでもともと社会が一体性を持っているような幻想が出てきてしまうことが問題だと思います」
札幌市と大阪市が目的地の旅行を「GoToトラベル」の対象から一時除外することを決定し、記者会見で説明する西村康稔経済再生担当相=東京千代田区で2020年11月24日午後8時18分、宮間俊樹撮影 旅行需要喚起策「GoToトラベル」の運用見直しで、政府は24日、地元知事の要請を受け、札幌市と大阪市を対象地域から一時除外すると決めた。ただ、新型コロナウイルスの「第3波」を受けた政府の対応は後手に回った印象がぬぐえない。焦点となる東京都の扱いも、「国が責任をもって判断すべきだ」とする都側からは、自ら除外を要請する動きは見えてこない。 感染拡大と経済活動、板挟みの中で苦渋の判断 「北海道のやり方はちぐはぐだ」。札幌市のススキノにあるバーの男性店長(28)は24日、飲食店に営業時間の短縮要請を出しながら「GoToトラベル」事業の継続を訴えていた鈴木直道知事を批判した。 「GoTo」をめぐり鈴木知事の判
河野太郎国家公務員制度担当相は18日付の自身のブログで、中央省庁の幹部候補で「キャリア」と呼ばれる20代の国家公務員総合職87人が昨年度に自己都合退職したと明らかにし、「6年前より4倍以上に増えている」として危機感を示した。「国家公務員の働き方改革を進め、霞が関をホワイト化して、優秀な人材が来てくれるような努力をしっかりと続ける」などと強調した。 河野氏は自己都合退職した20代の総合職の人数は、2013年度21人▽14年度31人▽15年度34人▽16年度41人▽17年度38人▽18年度64人――と説明。内閣人事局のアンケート結果を引用して「30歳未満の国家公務員で『辞めたい』と考えている者が男性で15%、女性で10%に達している」と紹介。「もっと自己成長できる魅力的な仕事につきたい」「長時間労働で仕事と家庭の両立が難しい」などが辞めたい理…
東京地裁前で法廷で読み上げた意見陳述書について語る伊藤詩織さん(左)=東京都千代田区で2020年11月17日午前11時29分、塩田彩撮影 ツイッターで中傷的なイラストなどを投稿され名誉を傷つけられたなどとして、ジャーナリストの伊藤詩織氏(31)が漫画家のはすみとしこ氏らに計770万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が17日、東京地裁(小田正二裁判長)で開かれた。伊藤氏は意見陳述で、「性被害の被害者をセカンドレイプ(2次加害)といえる言動で攻撃する人が大勢いる。私の被害を正面から受け止めてほしい」と訴えた。はすみ氏は出廷せず、答弁書で請求棄却を求めた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】 今年6月、はすみ氏と、はすみ氏の投稿をリツイートした男性2人を提訴。訴状によると、はすみ氏がツイッター上に伊藤氏に似た風貌の女性とともに「枕営業大失敗」などと描いたイラストが、性暴力被害を訴えた伊藤氏
立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は13日、「同一価値労働・同一賃金法案」を衆院に共同提出した。10月の最高裁判決で、ボーナスや退職金が不支給となったアルバイト職員らの敗訴が続いたことを踏まえた対応。安倍前政権は非正規従業員の待遇改善に取り組んでおり、与党から「格差是正」の旗印奪還を目指す。 法案は、正規と非正規の待遇差を巡り、「合理的と認められない待遇の禁止」を明記した。「合理的」かどうかの立証責任について、労働者側から使用者側に移す規定も盛り込んだ。 政府も2018年成立の働き方改革関連法に基づき、同一労働同一賃金に向けた指針をまとめた。だが、その内容は具体性に欠ける部分もあり、立憲の西村智奈美氏は法案提出後、記者団に「(最高裁判決で)指針は状況を変える突破口になり得ないと明確になった。具体的な法制度が必要だ」と強調した。
自民党が紙を使わない「ペーパーレス化」を進めている。党本部で開く政調の部会といった会議ではこれまで、紙資料が約200部配られていたが、今は資料をタブレット端末で閲覧するスタイルが定着し始めた。菅義偉首相が掲げるデジタル化推進にも沿うが、思わぬ課題も見えてきた。 11月5日昼、下村博文政調会長が本部長を務める「新型コロナウイルス感染症対策本部」が始まると、出席した議員の前に1台ずつ置かれたタブレットに、議事次第が映し出された。紙の束は見当たらなかった。 自民党のペーパーレス化は2018年10月、岸田文雄前政調会長が政調の幹部会議で本格的に始めた。菅首相が今年9月に就任後、デジタル化推進に意欲を示していることを受け、下村氏が党の旗振り役となって政調のペーパーレス化を加速させている。 政調には外交、農林、文部科学などの部会があり、法案審査や政策の議論を行う。説明資料を用意するのは、実はほとんどが
大阪府吹田市のJR西日本社員研修センター敷地内に建設され、福知山線脱線事故の車両を保存する専用施設(右端)のイメージ図=被害者説明会の資料より 兵庫県尼崎市で2005年4月に乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で、JR西日本の長谷川一明社長は7日、大阪府吹田市内に建設する事故車両の専用施設を24年秋ごろに完成させると発表した。事故後に入社した社員が半数を超えていることを受け、改めて事故の教訓を20年度中にまとめ、車両と共に社員教育に活用することも表明した。兵庫県伊丹市のホテルで開いた被害者説明会で遺族らに伝えた後、記者会見した。 JR西によると、専用施設は同社の社員研修センター(約6万8000平方メートル)の敷地内に建設。広さ約1500平方メートル、地上1階地下1階で、天井まで高さが約7メートルある1階に事故車両7両全てを現状のまま「一体的に保存する」。温度と湿度を管理し、社員教育用
幼少期のアルバムを見て母をケアしていた当時を振り返る元ヤングケアラーの坂本拓さん=横浜市戸塚区で2020年3月21日、玉城達郎撮影 通学や仕事をしながら家族の介護・世話をする子ども「ヤングケアラー」をめぐり、政府は今冬、全国の教育現場で初の全国調査に乗り出す。関係者が「本格的な支援の第一歩」と歓迎する一方、問題が深刻化する中で、国内の実態把握につきまとう課題を探った。【田中裕之、山田奈緒】 「相談したって、どうせ誰も…」抱える孤独 「相談したところでどうせ誰にも理解されない」。うつ病とパニック障害の母を中学2年生から就職・独立するまで支えた横浜市の坂本拓さん(29)は、学生の頃、教師や友人に母のことを相談したことはない。「よその人に知られたくない」という母の心情と、精神疾患に対する世間の偏見を分かっていたからだ。 子ども時代、母の再婚相手は別居し、4歳上の姉も家を出て行った。「死にたい」「
菅義偉首相は2日、就任後初の衆院予算委員会での質疑に臨んだ。「一問一答」形式のため臨機応変な答弁が求められるが、言い間違いや同じ答弁の繰り返しで審議が滞る場面もあった。大きなミスはなかったが、4日以降も続く予算委を乗り切ることができるのか、答弁能力が試されそうだ。 首相は予算委で、日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった理由について「人事に関することであり、お答えを差し控える」との答弁を連発。立憲民主党の今井雅人氏は「答弁拒否だ」と怒りをあらわにした。納得のいかない野党議員は金田勝年委員長(自民)に詰め寄り、質疑は数度にわたり滞った。 7年8カ月政権を維持した安倍晋三前首相は、予算委では長々と持論を展開したり、正面から答えなかったりすることで、野党の質問をかわすことが多かった。答弁が不安定な閣僚に代わって答えることもあった。 しかし、2日の予算委では、首相に代わって加藤勝信官房長官が答弁
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