東西日本でちがうニホンアマガエル 古くから日本人に親しまれてきたカエルのひとつがアマガエルです(図1)。春から夏に掛けて繁殖地の水田に出掛けると、華やかな大合唱が聞こえてきます。夏の終わりから秋に掛けては、繁殖地を離れて拡散し、雨の降りそうな日には人家の庭などから大きな鳴き声が聞こえています。北は北海道・利尻島から南は九州・屋久島まで日本の至る所に生息する、ごくごく普通のカエルです。このアマガエルすなわちニホンアマガエルが、実は日本の東西で遺伝的に大きく異なることがわかりました。今後の研究の展開によっては、東西で別々の種名がつけられる可能性があります。本稿ではその発見の経緯と意義、そしてこれからの調査についてお話しいたします。 ニホンアマガエル (西日本:東広島市) 先入観と外圧 2011年秋、一通のメールがドイツの研究者から届きました。ヨーロッパのアマガエルやヒキガエルを使って性決定や進
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