中国の長春長生公司による不正ワクチン事件に関して習近平自身が会議を開き関係者に対する処分を決議した。ここまで重視する背景には「医療の市場化」問題があり、社会主義国家の根幹を揺るがしかねないからだ。 長春長生「不正ワクチン」事件 7月15日、中国の国家薬品監督管理局が吉林省長春市にある「長春長生生物科技有限責任公司」(以下、「長春長生」)にヒト用狂犬病ワクチンの生産停止を命じた。生産過程に記録改ざんがあり、「薬品生産品質管理基準」に対する違反行為にあたるからだ。 違反行為はこれに留まらなかった。 7月20日、吉林省食品葯品監督管理局(吉林省食葯監局)は長春長生により生産された三種混合ワクチンが基準に符合せず、品質不良の「劣薬」と判定されたことを発表。その劣薬ワクチン25万本が山東省疾病予防制御センターに販売され、そのうち約21.5万本が既に山東省などの児童に予防接種されていた。この時点で倉庫