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ブックマーク / www.axis-cafe.net (18)

  • フリンジコスト - おおやにき

    今回のアメリカ出張で資格を満たしたらしく、ノースウエストのマイレージ制度で上級会員になりました。これで安い航空券でもちょっとは良い席に座れるんだね……と感涙にむせんでいたところにこんな報道が。「公務出張マイレージ加算、私的使用いいの?」(Yomiuri Online) まあご意見もいろいろあるだろうが、個人的には払う金を払ってから言えの一言である。 最初にお断りをすると、私はもう公務員ではないし、勤務先も中央省庁ではないのでそのあたりとは事情が違う可能性も高い。それに私は国立大学にしか勤めたことがないので、企業・私立大学その他の民間団体との違いについてもわからない。その限りにおいて、時折航空機を利用して出張している人間としての感想であると承知しておいてほしい(*1)。 で、払う金について。もともと助教授の仕事させておいて助手〜講師の給料しか払ってこなかったじゃねえか(*2)というのは相当に

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    REV 2014/05/19
  • 憲法使いの弟子 - おおやにき

    「だまれ俺は芦部信喜教授の孫弟子の同期だぞ」ってのはどうか(挨拶)。憲法問題だから「ノモス主権論尾高朝雄教授四世の孫弟子」の方がいいかな。しかしその、尾高宮澤論争以来の敵対派閥(笑)だからというのではないが、天賦人権説というのもそうスジのいい議論ではないので切り札的にそれは天賦人権説否定ですねドヤアみたいなのもどうかと思ってちょっと書く。 というのは自民党の憲法改正案にまつわる問題で、それを進めている人々がtwitterでうかつなことを言っているのに対して怒っている人々がいるという話であり、いや個人的にも先般提案された改正案はろくでもないものになっていると思っているわけではあるがおそらく私が問題にしている箇所は人々が怒っているのとは違うし、いま問題にされているような論じ方が利口だとも思えない。というので少し書いて放っておいたら政治のほうが動き出したりしてどうしたものかと思っているわけだが、

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    REV 2012/12/16
    「国家が無ければ社会権は実現されない」派と、「社会権を満足させない国家は要らない」派の戦い。似たような議論を見たような気が。 …電気?
  • 大学の人事とスケジュール(2.5) - おおやにき

    テレビを見ていたら岡田克也・副総理が「なぜ認可前に校舎の整備が始まっているのか」という趣旨の発言をしており、また田中真紀子・文科相は今日の記者会見で「(認可が決まった段階で)既に建物が出来ているのはおかしい。誰かが事前に情報を流しているのでしょう」と発言したとのこと(「肝心なこと言い忘れた...田中文科相、唐突な発表」Yomiuri Online)。わあすげえ、こいつら物の馬鹿だ。 あまりのことなので、これまでの話への補足を書く前に事実だけ確認しておくと、まず大学新設等の手続きについては「大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則」(平成18年文部科学省令12号)というもので規定されているところ、認可申請書に添付すべきものとされている書類(第2条1項)には「校地校舎等の図面」が含まれている。文部科学省の方で「大学の設置等に係る提出書類の作成の手引き」というものも公表されてい

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    REV 2012/11/08
    法治主義に真向から対立する「民意主義」を国民が選択しただけ。大臣印が必要な案件では、これからも国民の信託を得た党大臣が「裁量だから押さないもんねベロベロバー」が出現するのではないか。
  • 不適切な出題 - おおやにき

    右か左かではなく上か下かが重要だという話をしばしば学生にしているのだが、つまり政治的その他の志向preferenceと議論のレベルの高低は別の問題である。読んで学ぶならいずれにせよレベルの高いものにするべきで、というのは結論を肯定するにせよ否定するにせよ論旨の展開を批判的に検討することがアカデミックな議論には(従ってその作法の訓練としての大学教育においても)必要であるところ、レベルの低い議論というのはツッコミどころだらけで話が進まないし訓練にもならないからである。 何かというとまた産経がどうしようもないということであって、早稲田大学の法学部が国歌斉唱時の起立強制は教育現場に相応しくないという趣旨の文章を入試で出題したのは不適切だという論旨で報道している(「早大入試で偏向的出題 国旗国歌「教育にふさわしくない」」MSN産経ニュース)。以下は同記事より。 問題文は「日の丸・君が代が戦前の日

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    REV 2012/02/28
    産経がどうしょうもないのは、犬が人を噛むようなもんだからなあ
  • あるべき姿とその実現 - おおやにき

    学部が大きな外部経費を二件立て続けに獲得したところ例によってというか予想通りというか召集されて規定改正の要綱とかを作っている件について(挨拶)。1%でいいからくれんかな私個人に。 さてまず私自身はこの分野の現実的な問題に関する知見も知識も十分にはなく、従って具体的な制度改正の方向性の次元でどちらに理があるかという点は判断不能であるということを前置きした上で、従って多分に茶々を入れるだけみたいなことになるのは自分も書いている媒体の原稿なだけに恐縮するところはあるのだが、しかし書いておいたほうがいいかなと思うところもあるので、書く。 というのは竹端寛氏の「障害者制度改革の重大な岐路」(Synodos journal)についてであり、2010年の自立支援法違憲訴訟和解案とそれを受けた2011年の総合福祉部会骨格提言に対し、今年2月の厚生労働省案が実質的な「ゼロ回答」であって大がっかりという整理は

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    REV 2012/02/21
  • 公務員住宅(おまけ2) - おおやにき

    チャイナタウンでバスを待っていたら白人警官2人がパトカー2台で乗り付けてきてベンチに座っていた黒人のおいちゃんに何やら質問していると思ったら立たせて後ろ手に手錠かけてパトカーのボンネットに伏せさせて持ち物検査始めたよ(挨拶)。昨日はいきなり「よう3ドル持ってるか、3ドルくれよ3ドル」とかわめく乗客が後ろの方にいて運転手さんが無線で支援を求めはじめたしやべえバス面白い。 ところで待遇を悪くしても公務員は辞めないとか良い人材が民間に行くのはいいこととか言っている人がおり、あれだな幸せな人だなと思う。どういうことかというと、 (1) まあご近所で見かける地方公務員とか出先機関の国家公務員の皆さんというのは正直あまり他に能力・技能を生かせる場所がないかもしれず、多少待遇を切り下げたって辞めないよと言われたらそうかもと思う。だがそれは霞が関の官僚に当てはまる話ではない。というかもともと彼らは人事構造

  • 公務員住宅(2) - おおやにき

    さて話を戻して同記事でもうひとつ、これは間違いというよりはもっと調べたらどうかねえという話なんだけど思ったのは、「転勤が多いというのは民間も同じで、理由にはならない」という部分。これはねえ、まず第一に同じ公務員ないし官僚といってもかなり省庁・職種による差が大きいという点を認識しているのかという気がする。 つまり少ない方から言うと我々大学教員のように(まあもう公務員ではないけど)、自分からしようと思わない限り転勤しないというのもいる。ニ種や三種で地域ごとに採用された人たちは基的にそのエリアから出ないので、転勤しても転居する必要はないというパターンが多そう(とはいえ遠いところは遠い)。これは一種採用の官僚でも一部はそうで、当かどうかはわからないが聞くところによれば防衛省は地方のポストがごく少ないので(地方防衛局くらいって言ってたかな)、転勤といっても省内をあっちこっち動くのが中心で引っ越さ

  • 天下り? - おおやにき

    なんかその、原発を容認する最高裁判決を書いた判事が東芝に天下っていたとか主張している人がおり、どうも震源はこのあたり(My news Japan)なのかな。全文は登録しないと読めないとのことなのですべては確認していないが、事実関係に根的な誤りがあるとは言えないもののその評価がおかしいように思われる。なので、情報全体を見てなおこれが天下りだとか癒着だとか考えるならそれはそういう価値判断もあるかもしれないがどうせtwitterとかで結論だけがばらまかれて独り歩きするのだろうなあと思うと、いつものデマ増幅の構造と同じだなと思う。あるいは東大の寄附講座の事例と同じね。あれも計算方法とかをすべて踏まえてなおそのような産学連携関係は許せないと思うならそれはそういう立場もありだとは思うが、基的にはそのあたりの背景を踏まえずに「5億円5億円」と叫んで回るあほおを増やしただけだったから無能かデマゴーグか

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    REV 2011/05/29
  • 暴力装置 - おおやにき

    いやいや何を言っているんだ自衛隊は国家の暴力装置に決まってるだろう(参照:「仙谷氏「自衛隊は暴力装置」 参院予算委で発言、撤回」(asahi.com))。国家が(ほぼ)独占的に保有する暴力こそがその強制力の保証だというのは政治学にせよ法哲学にせよ基中の基であり、その中心をなすのが「外向きの暴力」としての軍隊と「内向きの暴力」としての警察である。で、日では主として歴史的経緯によりこの両者が相当明確に区別され、かつ現実的にもあまり仲が良かったり悪かったりという話があるわけだが(戦前ならゴーストップ事件が典型ね)、フランスやイタリアにある国家憲兵隊制度や、発展途上国に多い警察軍制度に示されているように暴力としての質に違いがあるわけではなく向きを変えれば同じものであると、そう整理されることになる。 その上で、まあ法哲学的にはゆえに国家は質的に悪であるとする立場と、しかしこの暴力抜きには社

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    REV 2010/11/18
  • 輜重輸卒とチョウチョウトンボ - おおやにき

    ちょっと用があって出かけたらまたJRが遅れており、しかも乗った時点では8分遅れだったのが南大高で2続けて優等列車を待避とかやられたせいで駅に着いたら14分遅れ。1時間に1のバスに乗り継ぐ予定だったのが見事置いて行かれましたと、そういう話。仕方ないからタクシー飛ばしたらバス運賃の14倍くらいかかってな orz。もうちょっと真面目に走らせてください。>JR東海 さてその途上、いま書いている原稿に関連した調べ物で、以前に買って途中で置いておいた一ノ瀬俊也『明治・大正・昭和軍隊マニュアル:人はなぜ戦場へ行ったのか』(光文社新書2004)を読んでいたところありゃと思った記述があったのでご紹介。 捕虜観の問題とともに、前線への補給を担う輜重兵の問題も、日露戦争の「合理性」の程度をうかがう上で重要である。(......)来輜重兵のいない戦争など成り立たないはずであり、それは同時代人も実感として肌で

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    REV 2010/03/14
    輜重の輸卒、なのね。運輸会社の本社の正社員と、配送センターのバイトくらい違うか。
  • 漢方薬と事業仕分け - おおやにき

    例の「事業仕分け」で漢方薬が保険適用から除外される方針になったという話が出て(「医療用漢方薬が保険適用外 価格が3倍以上治療に支障?」J-CASTニュース)、日東洋医学会を中心に4万人の反対署名提出とか、騒ぎになっているようである(「漢方薬保険外に4万人以上の反対署名 厚労省に提出へ」MSN産経ニュース)。なんかしかし横から見ていて議論が的を外しているような気がするので、少し書く。ただし、 当にそういう方針になったかどうかについては知らない。あくまで、「当にそうだったとしたら問題は何か」の話をする。 漢方薬が効くとか効かないとか証拠がどうのとかは知らない。お医者さんでもないのでそのあたりはよくわからない(個人的にはほとんど西洋医学にしか頼らない)。あくまで、私が少しはわかる医療システムの話をする。 さて。 まず問題範囲の限定。これは公的医療保険に関する議論なので、この結果がどうなろう

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    REV 2009/11/30
  • ステキ地方債(1) - おおやにき

    そろそろ体育会は性犯罪を助長するので自粛とか言い出す人間が出てこないだろうか(挨拶)。いや根っからの文化系なのであまりシンパシーもないし、妄想と実際の行為のどちらをより厳しく規制すべきかという問題をきちんと考慮すべきだと思うわけだが。 さて、市民税10%削減というステキ市長の提言について、「貸している側から見れば税金は担保であるので、勝手に削減するような相手にもう金は貸さないのではないか」という指摘がコメント欄でなされた。しかし、もし私が貸し手なら貸し倒れが生じないという条件下において・利率が十分に高ければむしろ返済期間が延びることは私の利子収入を最終的には増大させるだろうから、むしろ望ましいと考える可能性は十分にあるだろう。この点、別の方が「結局返せるかどうかが問題」と指摘されている通りである。 すると問題は「貸し倒れリスクがないか」という点に還元されるわけであるが、実はこの点については

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    REV 2009/06/14
  • リスクの転嫁 - おおやにき

    apj先生が言及している、指定校推薦制度における出願ミスの話(asahi.com)。結論的に言えば、apj先生の「疑問点」の捉え方は基的に逆。 「疑問3」(一般入試で不合格になる生徒を推薦してはいけないのでは)が一番簡単で、これはコメント欄でもすでに指摘されている通り、そういう生徒を合格させるために指定校推薦制度があるが正解。別の言い方をすると、一般入試で受かるような生徒しか受からないのであれば実質的には選抜機会が多様化できていないので、指定校推薦の意義は実施時期が早いことだけになる。つまり青田刈り。これを野放しにすると良くないことがいろいろ起きるので禁じ手ということにしており、従って早い時期の入試は「一般入試とは異なる観点から選抜する」というエクスキューズが求められており、であるならば一般入試では落ちる子が受かってもいい、むしろ制度趣旨にかなって健全に運用されている証拠と、こういう論理

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    REV 2009/04/29
  • 医療過誤問題管見 - おおやにき

    地元での用事を片付けようと合計30分くらいバイクでうろうろしただけで両腕の上半面が赤くなっているわけですがどういう熱帯ですかここは(挨拶)。さて気付いたら医療過誤の法的取り扱いをめぐるモトケン先生と小倉先生の議論にbewaadさんまで参入していたのだが、ええと、ちょっと「ITプロジェクトの実態とは!」あたりの話を思い出しましたね。 何が言いたいかというと、現時点までに医療関係者から出てきた主張の文言解釈としては小倉さんの方が正しいと私も思う。でもそれに何の意味があるのかはよくわからないということ。たとえば「業務上過失致死傷罪を廃止せよ」という文言が、医師である(とお書きである)NATROMさんの意図に反して当に故意が認定できる場合以外のあらゆる事例(血液型クロスマッチを行なわない輸血、が一例として挙がっているが)を免責することになってしまうという点については、bewaadさんご指摘の通り

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    REV 2008/07/26
  • ドンキホーテの幸福 - おおやにき

    経済学に関するを出版社から頂いたので(ありがとうございます)読み始めたところ「近代経済学は相対性理論と熱力学の第二法則に反している」とか書いてあって何のことかと思えば需要曲線と供給曲線の交点として価格と供給の水準が決定されるというモデルは爆発的な量の計算が無時間的に行えることを前提にしているからおかしいという批判だったので静かにを閉じて書棚に放り込んだ件について(挨拶)。というかそれでも第一章は通読した私を誰か誉めてほしい。 問題は大きく二つある。第一に、現実の我々が・有限時間内に価格水準決定のための計算ができるだろうかと聞かれて肯定する近代経済学者というのはおそらくいないのであって、それが(たとえば)「もし全知の神さまがいたらどうなるか」という想定に立ったモデル、その意味で現実からある程度乖離したものだというのは当然の前提だということ。著者が「これは今まで誰も指摘していないよねえ」と

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    REV 2008/07/08
    「抽象的なモデルでメタレベルの分析を進めるために置かれた前提であって、現実(ベタ)にどれだけ適合的かについては別途考えなくてはいけないとメタレベルの研究者は皆わかっている」
  • タクシーとマッチポンプ - おおやにき

    いや終電後にタクシーで帰宅する霞ヶ関のなかの人たちがビールだのおつまみだの商品券だのをもらっていたという一件。正直そういうタクシーの使い方をしたことがほとんどないのでよくわからないのだが(というのは別に清廉潔白を気取るわけではなくタクシーチケットのもらえる仕事でもできるだけ自腹で地下鉄を使って移動するようにしているくらいタクシーというものが好きではないので、まあ必要なら使うのだがとにかく相手が気を遣って話しかけてきたりするのに対応しないといけないようなシチュエーションが嫌いで床屋も会話がないのを狙って安いところに行くとかおねえちゃんと楽しい会話のできる飲み屋さんとかに絶対自分からは行かないとかとにかく偏屈な人間だからなのであるが)、普通に都心から長距離で乗ればよくあるサービスだという人がいてそうかなと思い、しかし現金とか商品券はやはり割り戻しであってまずいのではないかと思うとスタンプカード

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    REV 2008/06/08
     事務作業にコストが発生すると思ってない人大杉
  • 制度の失敗か、組織の失敗か - おおやにき

    お知らせいただいたところによれば拙著『自由とは何か—監視社会と「個人」の消滅』ちくま新書)が『中央公論』誌の特集「新書ベスト30」に入選したとのことであります。めでたい。ご推挙いただいた皆さま、ご購入いただいた皆さまに厚くお礼申し上げます。これから買うという方にも先にお礼申し上げますので是非買ってください。 でその、『中央公論』を一生懸命探して確認したわけですが(ちょっと生協に行く暇もなかったので街の書店で探したらなかなか置いてないんだこれが)14位タイで10冊以上並んでるなかの一冊というか掲載中最下位というかいやまあもちろん載っているだけありがたいわけだがなかなかこの微妙なところが素敵。しかも採点方法から推測するに60人中1名の方に1位にしていただいたのか2人の方に2位にしていただいたかの点数でありこのターゲット領域の狭さが我ながら自分らしいというか何というか。いや私自身としては知的な高

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    REV 2008/03/05
  • 法は守るべきか - おおやにき

    とりあえずホテルが公的施設だという意見は初めて聞きました(挨拶)。あのね、朝日新聞の論説委員さまがお泊まりになるようなホテルのロビーにホームレスが入ってきたら出ていってもらうだろうし論説委員さまもそれを期待するでしょ? たとえそのホームレスがロビーでコーヒーを飲みに来たと主張して実際に二三千円出して見せても追い出すでしょ? それが許される施設のどこが「公的」なんだよというか法的独占も競争規制もない私企業が「公的」なわけないだろというか。なお参照、朝日新聞社説2008年2月2日。 というわけでこの問題についていうと、「表現の自由」とか憲法的問題は微塵くらいしか関係なくて(いやまあそれは我々私人も憲法的価値を尊重した方が望ましいかもしれないね、というくらいには関係ある——のだが「憲法は公権力を縛るためのもので私人がそれによって義務を負わされるのはおかしい」主義の人にとっては微塵も関係なくなるは

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    REV 2008/02/03
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