【関西の議論】「居場所ないので自分を始末します」勤務医が過労自殺 医療現場は〝ブラック〟? 「医師=聖職者」の呪縛 人命と健康を預かる医師たちが、ブラック企業ならぬ「ブラック職場」で働いているとしたら、患者は安心して病院に頼れるだろうか。公立八鹿(ようか)病院(兵庫県養父市)で勤務していた男性医師=当時(34)=の過労自殺をめぐり、両親が損害賠償を求めていた訴訟は、3月の2審判決で改めて病院側に賠償命令が出された。大学病院などで働く勤務医は、慢性的な人手不足によって当直を含む長時間労働を強いられる傾向にあるが、医師ならではの職業観が過労死・過労自殺のリスクを高めている可能性も捨てきれない。 (小野木康雄) ごみ箱に破られたメモ 男性医師は平成19年10月、鳥取大から公立八鹿病院に派遣され、整形外科医として勤務。鬱病を発症し、2カ月後の12月に官舎で自殺した。鳥取大では、付属病院の研修医だっ