東京大学は26日、分子細胞生物学研究所の論文捏造(ねつぞう)や改ざんの疑いがあった51本の論文のうち、33本に捏造や改ざんがあったと認定し、11人が関与していたとする最終報告書を発表した。このうち、加藤茂明元教授ら6人は懲戒処分が相当とした。15億円の公的研究費は返還を含めて検討中という。 調査報告をまとめた科学研究行動規範委員会によると、調査対象は論文51本の著者193人。論文の捏造・改ざんなどの不正が認められた33本のほか、10本は不適切な図があり、8本は訂正が可能な部分があったとした。実験をやり直す十分な時間を与えず、強圧的な指導が行われたことが不正を起こした要因としてあったと指摘した。 懲戒処分相当とされたのは、加藤元教授のほか研究室の中核メンバーだった柳澤純元助教授、北川浩史・元特任講師、武山健一元准教授。高田伊知郎、藤木亮次の両元助教も図の捏造・改ざんに関与したとして、懲戒処分