【牧内昇平、奥村智司、伊沢友之】日本郵便の社員の販売ノルマは、年賀はがきに限らない。ギフト販売のお歳暮や地方特産品にも厳しいノルマがある。年の瀬にノルマを達成できない社員たちが、商品を自費で買い取る「自爆営業」に追い立てられている。 「食卓には、郵便局から買った食材が並びます」。奈良県の郵便局に勤める40代の正社員男性が、レトルトカレーがつまった段ボール箱を開いてみせた。袋には「郵便局限定」。20袋で2千円。食べきれず、自宅の台所に積んである。 日本郵便のギフト販売は、カタログからほしい商品を選び、郵便局の窓口や社員らを通じて注文。同社の小包事業「ゆうパック」で送る。男性に課された販売ノルマは年間約50万円。自力で売れるのはせいぜい5万~10万円だ。年に20万円近くを自腹で買う。自宅には毎月、ラーメン、チョコレート、肉の詰め合わせなどがゆうパックで届く。