◇悩みの種“紛失”激減 全国で唯一の公営漫画専門図書館「広島市まんが図書館」(南区比治山公園)が昨年、図書の紛失防止対策としてICタグを導入したところ、これまで年間1500冊もあった紛失件数が一けたに激減した。年間約75万円分もの漫画が行方不明になっていただけに、効果は絶大。念願の“紛失冊数ゼロ”も夢ではなくなってきた。 同館は1997年開館。現在約10万冊の蔵書があり、「スラムダンク」「シティーハンター」「巨人の星」など人気漫画を多数取りそろえる。それゆえに、盗難と見られる被害も相次ぎ、職員の見回り強化や防犯ミラーの設置などの対策に取り組んできたが、なかなか効果が上がらなかったという。 そこで同館は昨年、約3000万円をかけて、本の中にICタグを取り付けて無断持ち出しを識別するブックディテクションシステム(BDS)を導入した。職員が貸し出し処理を済ませていないと、出口でブザーが鳴る仕組み