利用者志向目録―その手法とアメリカに見る先駆的な取り組み (1.はじめに)はじめに 図書館目録は、カード目録から、OPAC、そしてインターネットの登場によってウェブOPACへと進化を続けてきました。しかし近年、アメリカを中心に、従来のウェブOPACを見直して、利用者の情報検索行動に即した新しい目録(この発表では利用者志向目録と呼ぶことにします)を提供しようという動きが始まりました。この動きの背景には次の2点が考えられます。 (1.1.1 利用者志向目録が生まれた背景) まず一つ目にインターネットの普及により、物理的形態を伴わないネットワークリソースが急激に増加したことがあげられます。これらのネットワークリソースに対しメタデータを作成し組織化することが近年進められています。日本ではNIIが提供している「GeNii:NII学術コンテンツ・ポータル」の中の、大学Webサイト資源検索(JuNii大