料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。 2020.04.14 公開 ポスト 「ていねいな暮らし」になぜ私たちは愛憎を抱くのか阿古真理(作家。生活史研究家。) うつの症状が重いと、「何にも楽しいことがない」「欲しいものがない」「やりたいことがない」と意欲が減退し、欲望が減少するときがある。食べたいものも、もちろんない。そんなときに、献立のアイデアを出すのは大変である。 私がそういう状態で献立づくりに苦しんでいたとき、ますます自分を追い詰めてしまったのは、「日替わりのバラエティある献立で、回すべきである」「ちゃんとていねいに手づくりしなければならない」という理想論のせいだった。理想とほど遠い自分を責めていたことが、毎日をよけいしんどくさせていたのかもしれない。