あんないっぱい論文読めませんかそうですか、しかも結構、経済思想史の微妙な解釈に慣れてないといけませんか、そうですか。 というわけで、柴田敬の『増補 経済の法則を求めて』(日本経済評論社、1983/1993)からいくつかの引用。 「当時は、大恐慌の最中で、私は「この恐慌は貨幣と何か関係があるんじゃないのか」という見当をつけて、貨幣の側面から恐慌の研究を進めた」(24)。 「その研究の手がかりを与えてくれたのが、やはりカッセルだった。カッセルは世界の貨幣用の金の存在額と、世界の物価変動との間に密接な相関関係がある、ということを実証してみせた」(25)。ただカッセルの推論の仮定に疑問があったので再検証。 「結局、私が発見したのは、こういうことだった。世界の生産総額と、世界の貨幣用金の存在額との間には、私が最初に予想していたことと違って大体、一定の比率がある、ということだった。すなわちマーシャルが