運動生理学では、「運動によって体脂肪を落とすには、低〜中強度のエアロビック運動を長時間行う必要がある」ということが半ば常識になっています。実際、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2006年の指針でも、「最大酸素摂取量の40〜60%の強度(40〜60%VO2max)の運動を、一般人では最低20分以上、肥満の場合には45〜60分持続すること」となっています。これは原則的には正しいのですが、たとえ強度が低くとも、45〜60分間も運動を持続するのは簡単なことではありません。そこで、「休み休みやっても効果があるのではないか?」という研究もいくつか行われてきています。私たちの研究グループでは逆に、「むしろ休みを途中に入れた方がより脂肪が落ちる」という確証を得つつありますので、今回はこの点についてご紹介します。 【運動の強さと脂質代謝】 体内で脂質を分解してエネルギーを得るには、酸素を用いて酸化するし