三宅陽一郎氏は、「ゲームAI」の技術発展の必要性を、日本のゲーム業界に対して発信し続けている開発者として知られている。国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)のゲームAI専門部会の設立を行ったり、twitter上でゲームAIについての議論を活発に行ったり、日本でゲームAIと言えば、ちょっとしたアイコン的存在だ。 その三宅氏に、「ゲームAI」が何であるのか、なぜ今この技術の必要性が増しているのか、そして、日本の教育や研究機関はゲームAIをどう位置づけたら良いか、について伺った。 AI(Artificial Intelligence)は、通常「人工知能」と訳される。1956年にコンピュータを使って人工的な知能を作ろうという議論がアメリカで行われ、この言葉が初めて定義された。その後50年あまりの間に、コンピュータを制御するOSや、ロボットを制御するプログラムなど、数多くの技術が登場した。コンピュ