「仕事疲れた 1人だけいろいろせなんのはもう無理 なんで俺だけ仕込みと検査と事務全部せないかんと? なんでこんな残業せないかんと? もういやだ」。熊本県のJA阿蘇のヨーグルト工場に勤務していた男性(当時29歳)が2019年3月、スマートフォンにメッセージを残して命を絶った。なぜ「仕事」に男性は追い詰められたのか。遺族の声を聴き、経緯をたどった。 「こんな形で突然亡くなるとは。上司が息子の勤務状況や健康状態の把握を怠ったための過労死だ」。6月に取材に応じた父親は、男性の勤務時間などが記録された文書を見ながら声を震わせた。 19年3月11日朝、家族は職場から「出勤していない」と連絡を受け、捜したところ、自宅近くの農業用倉庫で死亡しているのが見つかった。男性の車の中からスマホを見つけた警察官は、待ち受け画面に残されていたメッセージを見て「見つけた人に(男性のメッセージが)すぐ分かるようにしたので
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