「店をたたみました。まだ納得がいっていないし、こんな報告をすることになって残念です」。なぜか、毎年やりとりする年賀状ではなく封書が届いた正月。恐れていたことが現実になった。 なじみの小料理屋が…… 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、北海道報道部時代に通っていた飲食店が昨年末に閉店した。大皿の煮物や副菜、干物などが常時7、8種類並び、好きなものを少量ずつよそってもらう小料理屋だ。私にとっては、滋味豊かな料理で気持ちを立て直す場所。札幌一の繁華街ススキノにありながら、こぢんまりとした温かいこの店が大好きだった。 観光客や大人数の宴会頼みの店ではないので、コロナが北海道で猛威を振るった時も、当初は客足の大きな落ち込みを感じていなかったそうだ。それでも常連客が一人、二人と姿を見せなくなり、じわじわと経営環境が悪化。感染者が急増した秋以降、客がゼロという日も続くようになり、誰にも食べられない料理