能登半島地震が直撃した北陸電力志賀原発(石川県志賀町=停止中)は連日、不具合が発表されている。▽使用済み燃料プールの水が大量にこぼれる▽冷却ポンプが一時停止▽変圧器破損による大量の油漏れ……と枚挙にいとまがない。 北陸電力は1、2号機とも定期検査により停止中であることを強調。原発の全域を見回って点検した結果、「安全上問題はない」と5日公表している。7日には、原発に接する海面で大きな油膜が発見されたが、「環境や人体に影響はない」とすかさず説明した。 NPO法人「原子力資料情報室」事務局長の松久保肇氏が言う。 「原発は部品件数がものすごく多く、ざっと見回った目視の点検で見つけられていない不具合が潜んでいてもおかしくありません。今後も地震は続くとみられています。原発内の施設が大きく揺れることも想定され、予断を許さない状況です」 ■油漏れを大幅修正 北陸電力の説明には首をかしげたくなるものもある。