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ブックマーク / ncode.syosetu.com (2)

  • 僕の諭吉おじさん

    「これあげるわ。ただし使用期限は今日中よ」 母さんはそう言って、僕に一枚の紙切れを渡した。 なんだか頭が良さそうなおじさんが描かれたその紙を手に取って僕はとても戸惑った。 「母さん、これ……」 母さんはにっこりと笑った。 「そう、諭吉おじさんよ」 手にした事のない一万円札という大金に、僕の両手は震えた。 一万円。 なんでこんなおっきなお金を母さんは急にくれたんだろう。 その疑問の答えはないまま、僕はとりあえずありがたくこの諭吉おじさんを使わせてもらう事にした。 とはいえ、まだ小学校2年生の僕にとってこのお金は少々大きすぎる。急に渡されてもどう使っていいものかまるで分からない。 最初混乱していた僕だったが、そんなにややこしく考える事はないんだと気付いた。 母さんはこの諭吉おじさんを“あげる”と言った。 つまり、僕はこれを好きに使っていいんだ。 僕は自転車にまたがりお日様の下を走り出した。風は

    僕の諭吉おじさん
    YAA
    YAA 2015/04/15
  • 親戚の小学生の算数の文章題がおかしい

    一人暮らしの我が家に、久しぶりに近所に住んでいる親戚の小学生が遊びに来た。 「久しぶりやで!」 と、何に影響されたかわからないが、少年は似非関西弁で挨拶をした。 お菓子でも出そうと台所でごそごそしている間に、感心なことに少年は机の上に宿題を広げていた。 なんて真面目な子だろうか。 俺の子供の頃とは大違いだ。 「ん? 算数のテストか?」 「うん。間違えたところをもう一度やり直してださないと行けないんだ。でも、この問題わからないから教えて」 「え、マジか」 いくら昔勉強が不得意だったとしても、小学生の算数問題くらいは解けないこともない。 しかし、教えるとなるとこれがまた難しい。 四苦八苦しながら、なんとか聞かれた問題を解かせる。 「ふぅ、終わった……」 「見なおしたぜ!」 偉そうに親指を立てる小学生。 生意気な。 「意外と教えるのが面倒な問題だったな……」 他の問題はどういうレベルなのだろうか

    親戚の小学生の算数の文章題がおかしい
    YAA
    YAA 2014/06/07
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