『至福のすし〜「すきやばし次郎」の職人芸術』(山本益博著・新潮新書)より。 【清潔。料理ではこれはもう言うまでもなかろう。「清潔な調理場からでないと、美味しい料理は生まれない」とは、フランス料理のジョエル・ロビュションの口ぐせであるが、けだし名言と思う。「掃除をしていて、しすぎるということはない。汚れたらすぐに拭けばいい。それが半日もたてば洗わなくてはならない。一日置いたら磨かなくてはならない」と小野二郎は店の者にそう言う。調理場での格言といってもよいだろう。 このように、優れた料理人は清潔であることに人一倍気を遣う。料理にたずさわる職人であるなら当たりまえのことだが、調理場や身のまわりのものの清潔さに常に気をつけている料理人には、おのずとその人自身に清潔感が漂うものである。】 (「すきやばし次郎」の「清潔さへのこだわり」についての、山本益博さんと小野次郎さんの話の一部です) 【山本益博: