「出稼ぎ」――いまでは馴染みの薄い言葉になっているが、1960年代の日本の高度経済成長を底辺で支えたのは、まぎれもなく農村の出稼ぎ農民だった。そのころから日本の社会も農村も大きく変わった。山形県白鷹町の、かつての出稼ぎ農民が、自らの体験をもとに映画『出稼ぎの時代から』を制作した。映画は時代の変化のなかで何が変わり、何が変わらなかったのかを教える。DVDで鑑賞できる。 『出稼ぎの時代から』のDVD 1966年11月、山形県白鷹町の国鉄長井線鮎貝駅から20歳の青年、本木勝利さんが仲間とともに出稼ぎに旅立った。『出稼ぎの時代から』は翌年の冬、本木さんが神奈川県川崎市の宅地開発の劣悪な作業現場で働いていたときの記録である。スライド化して保存していたものが、半世紀余り経て、町の教育委員会の倉庫でみつかり、それをもとに再編し、今年の7月、『出稼ぎの時代から』として映画化された。 作品は、当時の出稼ぎの
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