「農業はもっとクリエーティブなものになる」。無人農業ロボット研究の第一人者で『下町ロケット ヤタガラス』(池井戸潤、小学館)の登場人物のモデルになった野口伸教授はこう語る。野口教授が描く農業の未来とは─―。 聞き手/構成・編集部 鈴木賢太郎 1961年北海道生まれ。北海道大学大学院農学研究科博士課程修了。北海道大学助手、助教授を経て、2004年より現職。専門は農業ロボット、スマート農業。 日本では農業従事者のさらなる減少や高齢化によって、1人当たりの農作業量が増える。省力化・省人化は急務だ。また、農業技術をいかに次世代の担い手に継承していくかも課題である。 スマート農業は、日本の農業が抱える複雑な課題の解決策の一つとなる。これまで民間企業が培ってきたロボット、AI、センサーなどの周辺技術は、すでにさまざまな産業に応用されている。一見、農業に関係がないように思える技術でも、農業技術と組み合わ