※前編はこちら:「100年に1人の逸材」棚橋弘至のキャリア論 ※中編はこちら:棚橋選手の人脈術、「出会いに照れるな」 冬の時代を通ってきた新日本プロレス 塩野:新日本プロレスが一時期「冬の時代」だった原因は、どこにあったのでしょう。 棚橋:たぶん、みんな言い訳を探していたんですね。「テレビ放映がゴールデンタイムじゃなくなったから」とか。「リング上は十分面白いんだから、あとはスタッフが頑張るだけだ」とか。僕からしたらリング上も全然面白くないし、ゴールデンじゃなくなったのも原因じゃない。 当時はスタッフにも選手にも、「新日本らしい戦いとはこういうものだ」という思い込みがあったんですよ。「うちの味はこうだから、こう食べてくれ」という頑固おやじの料理屋さんみたいなこだわりがあった。みんなそれを変えたくないから、このまま頑張っていればなんとかなると思ってたんですね。でも人気が下がってるのにそのまま頑