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![ゲームの歴史を書くとはどういうことか?|文脈くん](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e2ae41a5f6ad6cdf9aa11b981065806eebde4964/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F95468325%2Frectangle_large_type_2_897ec9ae74a5ef2efc5fb3363f1ae40c.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)
岩崎夏海氏・稲田豊史氏共著の「ゲームの歴史」1-3巻を読みました。 この本は「ゲームの歴史」を謳っていますが、歴史教科書的に事実の羅列で済ますのではなく、ある程度出来事とそのリアクションを掘り下げ、そこから自身の主張を搦めて一つの大きな物語を紡ぐ読み物になっています。いうなれば私の書いている記事の、もっともっと先をいった進化版のようなものです(プロの作家さんは本当に凄まじいですね)。 その上でその絡めた主張というのもなかなか面白く、「ゲームの根本はハッキングである」という主張には目からうろこでした。なるほど、本来の用途とは別方向のアプローチをしかけることがそもそものゲーム(=ハッキング)なのだ、という主張はゲームの歴史を覆って面白い物語に仕立てるのに相応しい、とても素晴らしいアイデアだと思います。(2023/2/9追記 そもそもゲームはコンピューターの本来の用途の内に入っておりハッキングで
「ゲーム・オブ・ザ・イヤー 2022」。本稿では、1年の総括として各ライターの個人的なゲーム・オブ・ザ・イヤーを紹介する。 今年2022年を振り返る、AUTOMATONの年末企画第3弾。年末最後の企画となる本稿では、1年の総括として各ライターの個人的なゲーム・オブ・ザ・イヤーを紹介する。2022年も数多の素晴らしいゲームが発売された。そのうち、ライターごとの個人的なベスト作について語ってもらった。 『ローグ・レガシー2』 ――プレイヤーの納得感を生む丁寧な仕事 開発元・販売元:Cellar Door Games 対応機種:PC/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 『ローグ・レガシー2』は、メトロイドヴァニア要素のあるローグライト・アクションゲームだ。プレイヤーはとある一族のひとりとなり、モンスター蔓延る広大なランダム生成ダンジョンの攻略に挑む。
『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』TVアニメ&ゲーム化進行中!! TVアニメは2023年放送予定!! 今回は、ゲームクリエイター小島秀夫監督と不二涼介先生による超豪華対談を大公開しちゃいます! さらに「週マガ」4・5合併号では、最新単行本第11巻の発売を記念して3大特製プレゼント企画を実施中です! ●『シャングリラ・フロンティア』最新11巻発売記念超特別企画! ゲームと漫画のクリエイティブを語り尽くす超豪華対談実現!! Profile:小島秀夫 1963年東京都生まれ。ゲームクリエイター、株式会社コジマプロダクション代表。1987年、初めて手掛けた『メタルギア』で、ステルスゲームと呼ばれるジャンルを切り開く。ゲームにおけるシネマティックな映像表現とストーリーテリングのパイオニアとしても評価され、世界的な人気を獲得。独立後初作品となる『DEATH STRA
「チャンネル登録してください!」あの番組の高評価率は!?──「桜井政博のゲーム作るには」の最初にアップされた動画にて、「講師の依頼を受けることが多いけど、それでは限られた人にしか伝えられない。動画にして配信することで、より多くの人に届けたい!」と、この番組を始めた理由について語られていましたが、そもそものYouTubeで始めるきっかけなどはあったのでしょうか? 桜井氏: 私のチャンネルに関して開口いちばん言いたいことは、「チャンネル登録してください!」ですね(笑)。 ──(笑)。 桜井氏: とりあえずこれは最初に言っておこうと思いました。YouTuberっぽいですし(笑)。 でも、私の番組ではYouTuberらしいことをしていないという事実もあるんですよね。 たとえば、「動画をだいたい10分以上でまとめる」、「動画内でチャンネル登録を推奨する」といったYouTubeのセオリーがあることは、
「メガテン」の新たなチャレンジでもある『ソウルハッカーズ2』──どちらのタイトルも1作目が発売されてから長い歴史のあるタイトルです。「テイルズ オブ」シリーズはこれまでに45作品以上が発売され、『ソウルハッカーズ』は1作目からじつに25年の時を経て新作が発売されたということで、それぞれ異なる葛藤・悩み・やり甲斐があるかと思います。そういった、開発者だからこそ抱くテーマをクロストークで語り合っていただくのが今回の座談会の趣旨となります。 平田弥氏(以下、平田氏): たしかに『ソウルハッカーズ』のタイトルとしては25年ぶりではありますが、大きなくくりでいうと『真・女神転生』シリーズ、いわゆる「メガテン」から脈々と引き継いでいるタイトルなので、作っている身としては25年ぶりという感覚はそれほどなかったです。 会社の席のすぐ隣りでは『真・女神転生V』を作っているし、かたや向こうでは別のタイトルが動
普段ゲームに触れていない人の “とっつきにくさ” を解消したい──改めて「ゲームゲノム」の経緯をおうかがいできればと思います。どういう立ち上がりだったのでしょうか? 平元氏: 2021年10月にパイロット版の「ゲームゲノム」が放送されました。まずは1回限りの放送だったんです。これはNHK内の事情なんですが、“特番”と“開発番組”という違いがありまして。「ゲームゲノム」は開発番組の枠で企画を通して作った番組になります。 特番との違いとして、開発番組は番組の内容や反響がよければレギュラー化も…ということを見据えて作るのですが、「ゲームゲノム」はそうした意味でも定時化を強く意識して企画・制作を行いました。 ──これまでもゲームの番組はあったと思いますが、「自分だったらこうしたい」というような思いがあったんですか? 平元氏: 「アンチテーゼ」とまで言ってしまうとちょっと言葉が強くなってしまいますが
「DARK SOULS」シリーズや『Bloodborne』に『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(以下、SEKIRO)』といったタイトルのディレクターを務めてきた宮崎英高氏。ソウルズボーン(あるいはソウルライクや死にゲー)という新しいゲームタイプの生みの親として、今や世界中のゲーマーから愛されている。そんな宮崎氏も、実は最初に携わったのが「ARMORED CORE(アーマード・コア)」シリーズの作品であると思うと感慨深い。『ICO』に影響を受けてゲームデザイナーを目指すことになった同氏にとって、PS2でリリースした『ARMORED CORE LAST RAVEN』が最初に携わったゲームとなった。 その当時、「ARMORED CORE」はフロム・ソフトウェアの代表作だった。だが――シリーズの復活を待ち望んでいた古参ファンも多いとはいえ――現代のフロム・ソフトウェアは「死にゲー
日本でゲームだけで食べているプロゲーマーは、数えるほどしかいない。そのうちのひとり、2011年からプロとして活躍するふ~ど選手は異色の存在だ。 格闘ゲーム(以下格ゲー)の『バーチャファイター』『ストリートファイターⅣ』のプレイヤーとして世界トップレベルの実力を持ち、アメリカのゲーム周辺機器メーカー・Razer社のスポンサードを受けながら、Team GRAPHTに所属。 昨年は、海外大会に16回も参加し、世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO2016」では準優勝を果たした。 その一方、シューティングゲーム『ガンスリンガーストラトス』(以下ガンスト)でも全国大会を3度制し、トッププレイヤーとして名をはせる。 さらに、最近ではデジタルトレーディングカードゲーム(DCG)の『Shadowverse(シャドウバース)』もプレーし、さまざまなメディアに取り上げられている。 プロゲーマーというと、ひとつのゲ
低価格の「SIMPLE」シリーズで業界の隙間を突いた,元D3パブリッシャー社長・伊藤裕二氏の生存戦略 ビデオゲームの語り部たち:第33部 ライター:大陸新秩序 ライター:黒川文雄 カメラマン:畑沢亮太 さまざまな業界に,“大手ではないがユニークな存在感があり,一目置かれる企業”がある。ゲーム業界で言えば,「地球防衛軍」シリーズで知られるディースリー・パブリッシャーがそれに当てはまるのではないだろうか。今回の「ビデオゲーム語り部たち」では,元ディースリー・パブリッシャー社長の伊藤裕二氏に登場いただく。 実を言うと筆者(黒川)と伊藤氏は旧知の間柄なのだが,最初の出会いは2人がゲーム業界に入る前のことだった。1990年代前半,筆者は映画配給会社のギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ)で,自社配給映画の宣伝を担当しており,TSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下,CC
カプコンの大人気格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズが、今年で35周年を迎えている。1987年に1作目がアーケードゲームとして登場し、4年後の91年から稼働している『ストリートファイターII(ストII)』が世界的な大ヒット。アニメ化やハリウッド実写映画化もされ、2D格闘ゲームの代名詞となった。 『ストII』以降も現在に至るまで作品は続いていて、2023年には『ストリートファイター6』も登場予定だ。 一方で、『ストII』の人気は根強く、30年以上経った今もなお、多くの企業間コラボが展開されている。例えば、17年3月にはトヨタ自動車のSUV「C-HR」とのコラボが実施され、ゲーム中の車を破壊するボーナスステージに「C-HR」が登場した。 22年6月には、『ストリートファイター』35周年の一環としてサントリーの「天然水スパークリング」とのコラボ商品も販売された。18年には佐賀県と『ストII
ビデオゲームの中には、その作り手特有の個性、つまり「作家性」を強く感じさせる作品があります。 小島秀夫の『メタルギア』シリーズや『デス・ストランディング』はその典型ですし、多くのインディーゲームもそれに当てはまります。2021年10月のNHKの番組「ゲームゲノム」で小島秀夫と『デス・ストランディング』が特集されたように、その作家性とゲーム内容を結びつけて評価を行うことも、現代では一般的です。 この記事では、1980年代、1990年代、そして2000年代以降という3つの時代に分けて、作家性の確立と発展の歴史を整理します。 「作家性」の夜明け〜1980年代 1980年代は、ビデオゲームを遊ぶ機器(パソコンやゲーム機)が身近になり、名が知られたクリエイターが出現するようになった時代です。加えて、グラフィック等のスペックが徐々に向上したことにより、だんだん「作り手の個性」をゲームに反映できるように
はじめに 西に任天堂あり。京都に本社を構える世界的娯楽企業である。 東にナムコ(現在バンダイナムコホールディングス)あり。東京に本社を構える世界的娯楽企業である。 この二つの企業は、現在ゲーム業界で非常に大きな影響力を有している。同時に、まだ未成熟で小さかったゲーム業界を牽引し、今に至る歴史を支える重要なキーマンだ。 そんな二社であるが、かつて関係が最悪領域に到達し、裁判所を巻き込んだ大激突をしたことがあったことを把握している人はどれほどいるだろうか? この記事はそんな混乱の最中、何があったのかを詳しく解説するものである。 まずは二社、それぞれの歴史を大まかになぞっていこう。 任天堂とナムコは同じゲーム業界の企業ではあるが、誕生のベース自体はいささか異なっている。 任天堂は京都の老舗花札屋であるが中興の祖、三代目社長山内溥がおもちゃに手を出し名を馳せた。このおもちゃの延長線上として電子機器
2022年2月1日、スマホ用RPG『Fate/Grand Order』の開発・運営体制に、ある変化が起こった。同作の開発・運営を行っていたディライトワークスのゲーム事業が、会社分割により新会社「ラセングル」に承継。そしてラセングルの全株式を『FGO』の発売元であるアニプレックスが取得することで、ラセングルはアニプレックスの傘下に入っている。 『FGO』の開発・運営は、そのスタッフも含めてまるごとラセングルに承継されたため、『FGO』のサービスそのものは引き続き、これまでと変わらず行われている。 だがその一方で、かつて『FGO』のクリエイティブディレクターを務めていた塩川洋介氏は、ディライトワークスを退社。ラセングルにも合流することなく、新会社「ファーレンハイト213」の代表取締役として、新たに活動していくこととなった。 一時期、『FGO』の開発スタッフを代表して数多くのイベントにも登壇して
『龍が如く』を手がけた名越稔洋氏が自らのスタジオを立ち上げた──そんなニュースがゲーム業界を騒がせたのは、まだ記憶に新しい2022年1月のこと。 一時はセガの取締役COOを務め、同社をけん引した日本ゲーム界のレジェンドは、自らが代表取締役を担う「名越スタジオ」でどんなゲームを作っているのか? 中国のNetEase Gamesの100%出資からなるスタジオということもあり、国内のゲーマーの間ではさまざまな反応や憶測が飛び交っていた。 今回電ファミでは東京ゲームショウ2022(以下、TGS2022)の開催にあわせた9月16日に、名越スタジオと共同でTwiitterスペースを実施するという初めての試みを実現。名越稔洋氏ご本人に参加していただき、名越スタジオの現状や、現在制作している作品について、直接お尋ねするという非常に貴重な機会をいただくことができた。名越スタジオの皆様、名越さん、本当にありが
[インタビュー]「MARVEL SNAP」を手掛けたカードゲーム界のレジェンド,ベン・ブロード氏が考える“エレガントな”ゲームデザインとは 編集部:kawasaki ライター:奥谷海人 「MARVEL SNAP(マーベル・スナップ)」(iOS / Android / PC)は,2022年10月18日にグローバルローンチを迎えたデジタルカードゲームである。 本作は,映画やコミックで有名なマーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe,MCU)のライセンスを受けて作られたゲームで,アイアンマンやスパイダーマンなどのヒーローや,悪役であるヴィランがカードとして登場する。 ゲームシステムにおける最大の特徴は,6ターンで決着が付き,その所要時間がたったの3分というハイスピードさにある。デッキを構成するカードも12枚しか無いなど,全体的にシンプルな造りだ。 そ
「ゲームが変えた日本語」、今回のテーマは「スタートボタン」だ。“「PUSH(またはPRESS) START BUTTON」と表示されるタイトル画面”は、お定まりの様式として、ビデオゲームを題材にした漫画やイラスト・映像作品でもしばしば使われてきた。もともとはアーケードのビデオゲームに始まり、1980年代後半以降、ファミコンを筆頭とする家庭用ゲーム機によって大きく広まったものだ。 しかしもはや、これは懐古の対象になってしまったと言わざるを得ない。新作ゲームでこの表示が見られるとすれば、復刻ゲーム機やレトロ調のもの、そしてゲームセンターのいわゆる汎用筐体向けの作品くらいだろう。 なにしろ昨今の家庭用ゲーム機の標準コントローラーからは、スタートボタンが次々と消えている。据置型では2006年発売の「Wii」【※】、そして2014年発売(日本市場)の「プレイステーション4」と「Xbox One」以降
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