プロダクトは宗教である。 Emacsとvim、各種プログラミング言語などの例でもわかるように、プロダクトは宗教だ。各宗教や宗派に属するものが自らの信じるものを他者に広める。 昔話 筆者が20代を過ごしたDEC (Digital Equipment Corporation) という会社はVMSという自社OSが主力プロダクトだった。VAXというプロセッサーと合わせて、あらゆる規模のシステムにも同一アーキテクチャで展開できるその柔軟性や分散処理に優れている点などが支持され、一時はIBMに次ぐ世界2位のシェアを誇った。 しかし、やがてオープンスタンダードによるマルチベンダープロダクト間のインターオペラビリティが求められるようになる。標準化団体による標準化が進むも、実績にまさるUNIXとTCP/IPがデファクトとして普及する。 そのように時代が動き始めたとき、社内で起きていた議論が次のようなものだ。