環境省のレッドリストで絶滅危惧(きぐ)II類のカニ「ハクセンシオマネキ」が、瀬戸内市牛窓町の干潟に数万匹規模の集団で生息していることが9日までに分かった。瀬戸内海の環境保全に取り組む市民団体が集う「環瀬戸内海会議」(事務局・岡山市)が調査した。 ハクセンシオマネキはスナガニ科で白っぽく、甲羅の幅は約2センチ。雄は、はさみの片方だけが大きく発達し、繁殖期に求愛行動で振り動かす様子が、白い扇で潮を招くように見えるのが名前の由来とされる。 同会議によると、集団は6月に見つけ、今月初旬に詳しく調査。潮が引いた干潟には生息に適した砂地が分布し、遠目にも白く染まるほどの個体を確認した。生息地は計約1000平方メートルに広がり、1平方メートル当たりの巣穴の数を10カ所で調べたところ、平均約70個を数えた。全体の生息数は数万匹に上ると推測した。