【ベルリン=宮下日出男】総選挙後の混乱が続くギリシャで、パプリアス大統領は15日、組閣に向けた最後の調停のため主要政党の党首らと会談したが、物別れに終わった。会談後、大統領報道官は再選挙実施が確定したと述べた。総選挙後9日間続けられた政権樹立への試みが失敗した。再選挙は6月17日に行われる見通しだ。 再選挙では、反緊縮派の第2党、急進左派連合が第1党に躍り出る可能性が高い。再選挙までの政治空白や同党主導の政権樹立は、ギリシャの「ユーロ離脱」に対する懸念を一層高め、欧州債務危機の一段の深刻化を招く恐れが強い。 大統領は政治家以外の学者や官僚出身者を首班とする「実務者内閣」の樹立を提案して事態打開を図った。15日の大統領の調停には、極右政党と共産党を除く5党の党首が参加。実務者内閣の提案には、財政緊縮路線を進めてきた第1党の新民主主義党(ND)と、第3党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が