2018年8月30日 著作権映画 「シーン・ア・フェール法理を手掛かりにストーリーの類似を考える ~映画『カメラを止めるな!』は著作権侵害か?~」 弁護士 松澤邦典 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 8月21日発売の『週刊FLASH』が映画「カメラを止めるな!」の著作権侵害疑惑を報じた。この騒動とは関係なく、ここのところ、映画・ドラマ、演劇、漫画・アニメのストーリーを比較して著作権侵害のリスクを検討する案件の依頼が続いている。そのうちの一つでは著作権侵害ではないという結論に至り、別のケースでは著作権侵害の可能性が高いという結論に至った。振り返ると、この二つのケースの狭間のどこかに著作権侵害とそうでないケースの境目があったわけだが、その境目を明らかにするのは…、どうやら著作権法の永遠のテーマのようだ。 ■アイデア・表現二分論 著作権法は、アイデアとその具体的な表現とを区別して