[荒木飛呂彦のコマ割りの原理 - その3]のつづきです。 ◆ 『ジョジョ』第三部のもう一つの戦い - 基準線と荒木割りのせめぎあい 荒木割りの最初の例を確認しておきましょう。 荒木割りか否かの判定基準は、外線がななめに割られているか否かです。 (その結果、ペイジ全体が傾く効果が上がっていなければなりません) いくつか微妙な例もあるのですが、 僕の見たかぎりでは、第三部の次の例が最初だと思います。 そして『ジョジョ』第三部こそは、 荒木割りが漫画表現として確立される過程の 興味深い記録になっていると思います。 第三部では主人公のジョジョ一行と敵役のディオの戦いが描かれますが、 その裏では、 漫画表現における基準線と荒木割りのせめぎあいという、 もう一つの戦いが描かれているのです。 本題に入るまえに微妙な例も確認しておきましょう。 最後のコマの下のワク線がななめに割られているように見えますが、