NHK職員時代、原発事故の現場を独自で取材し、局内では逆風が吹いていた。そんな時に声をかけてくれたのは、世界的な音楽家であり、アクティビストでもあった坂本龍一さんだった。 堀潤さんからForbes JAPANに寄せられた追悼の手紙。二人の交流の回想からは、晩年の坂本さんの世の中への向き合い方が垣間見えてくる。 坂本龍一さんへ 信藤三雄さんが亡くなり、大江健三郎さんが亡くなり、坂本龍一さんまで亡くなってしまい、本当にどうしてゆけば良いのか途方に暮れそうになる日々を過ごしています。 世界は分断の真っ只中にあり、急きたてられるようにして軍事力強化の話が進んでいく。安全保障政策には軍事力だけではなく外交、経済、民間交流など様々なチャンネルの充実が含まれていますが、いま日本国が掲げる安全保障戦略は「同盟国」と突如あたり前のように登場した文言「同志国」との関係強化が中心で、敵対する国家同士の緊張にアク