人類学者が半世紀にわたって唱えていた仮説を裏付ける、野生のチンパンジーの観察結果を、京都大霊長類研究所の松沢哲郎所長らの国際チームがまとめ、米科学誌に発表した。 松沢さんらは、アフリカ・ギニアの森で、チンパンジー11頭に、食べ慣れたナッツ「アブラヤシ」と、普段は手に入らない味の良いナッツ「クーラ」を与え、食べる行動を観察した。 アブラヤシだけを置いた場合は仲間同士で分け合って食べたが、アブラヤシのなかに少量のクーラを混ぜると両手と口で、クーラだけを確保し、二足歩行で仲間から離れた場所へ移動した。二足歩行の頻度はアブラヤシだけの場合より4倍増えた。