店舗の窓からは復興が進む気仙沼の港が見下ろせる。そんなところにも御手洗の思いがこもっている=宮城県気仙沼市 photo : Semba Satoru 宮城県気仙沼市。東日本大震災で大きな被害を受けたこの漁業のまちで、震災から2年後に御手洗らが立ち上げた「気仙沼ニッティング」。遠洋漁業の男らも船上でいそしむという編み物という地域の伝統が、「フィッシャーマンズ・セーター」として新たな産業を生んだ。 4人の編み手が編んだ4着のカーディガンから始まり、いまは50、60代の女性を中心に、約60人の編み手を抱える。震災で勤め先を失った人や、家庭の事情で定時の仕事ができない人たちも、自分のペースで、自宅で仕事ができる。 目指すは100年続くブランド 柄がはっきり出るけれど着心地は柔らかくなるように特注した毛糸で、何十時間もかけて手編みする。定番商品は1着7万円台から。人助けにちょっと買おうか、という代物
「1、2年はよくても……」元審議委員は助言したが 今年初め、元日本銀行審議委員の中原伸之(83)は、日本銀行総裁の黒田東彦(73)と二人きりになった場で、こう語りかけた。 「この1、2年はよいとしても、その先は見通せないよ」 黒田の5年の任期は、4月で切れる。もし再任を要請されても、慎重に考えるべきだという趣旨だった。黒田は、中原が意外に思うほど真剣な表情で聞いていた。 東燃(現JXTGエネルギー)社長などを務めた中原は、安倍晋三首相を囲む財界人の会合を10年以上主催、安倍に助言をする仲だ。 だれが黒田の後任になるのか、黒田の再任なのか、金融市場はかたずをのんで見守っている。続投すれば、1964年まで日銀総裁を務めた故・山際正道以来、半世紀ぶりのことだ。 5年にわたる景気拡大、上がり続ける株価、24年ぶりの低水準にある失業率……。 2012年末に発足した安倍内閣の経済政策「アベノミクス」の
ヴァレリー・メルニコフ ロシアの通信社に勤めるヴァレリー・メルニコフ(44)が、ウクライナ東部ドンバス地方を訪れたのは、それが初めてだった。2014年6月。東部地域では、ロシアとの統一を望む親ロ派と政府軍の間で激しい武力衝突が始まっていた。 地元の人やSNSの情報を頼りに、真夜中に攻撃があった場所に行くと、9階建て集合住宅の最上階が崩れ落ちていた。恐怖におののいた住民の多くは避難していたが、すぐ下に住む男性が様子を見に来ていた。男性の背中越しに、青空が見えた。「戦争を知らない人たちに、この光景を伝えなければ」と思った。 撮影者のヴァレリー・メルニコフ(本人提供) 以来、ドンバスのことが頭から離れず、3年間で計6回赴いた。初めて赴いた2週間こそホテルに泊まったが、2回目からは、民家に泊めてもらっている。 これまで撮った被写体のほとんどが一般の人々。燃えさかる自宅から下着姿のまま逃げる女性、砲
What I Learned From Kristi Yamaguchi ニューヨーク・タイムズ・マガジンから 初めて彼女を見たのは1991年。フィギュアスケート世界選手権の表彰台の頂点で、「100万ボルト」の笑顔を振りまいていた。アジア人だ、と私は思った。アジア人が、テレビに出て、大勢の人の歓声を浴びている。 ある年代の人たちにとってクリスティ・ヤマグチはおそらく初めて見る、公の場で祝福されたアジア系アメリカ人女性だっただろう。彼女やのちにミシェル・クワンが脚光を浴びる姿を見て、多くのアジア系アメリカ人の子どもたちが感じたのは、称賛やファン的熱狂よりも、めったに味わえないからこそ強力なもの、「承認」だった。 ヤマグチは、私がずっと求めていたものを満たしてくれた。韓国からの養子としてオレゴンで育った私にとって、日々目にする全ての人が白人で、白人の女の子でさえブロンドの髪をうらやむような学校
私たちは過去何十年もの間、発展から取り残されてきましたが、今や追いつく見込みがあり、それどころか追い抜く可能性すらあります。私たちは遅れてやってきたけれど、後発として、他の国・地域の経験から学ぶチャンスを得ています。ミャンマーが安定的かつ結束した民主国家であり続けるためには持続的な発展が必要です。 私は国民を常々こう励ましています。「長い困難な道のりとなるかもしれないけれど、日本が第2次大戦後にこれだけ発展を成し遂げることができたのだとすれば、私たちがなし得ない理由はない」と。つまり私たちは日本をただ友人として、また私たちが発展に向けて突き進むためのパートナーとしてだけ見ているのではなく、心からやり遂げようとすれば何が可能になるかの事例として見ています。 ――軍政当時のミャンマーは中国に支えられてきましたが、テインセイン前政権は中国と距離を置いたように見えます。新政権は中国、米国、インド、
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