2017年3月、イラク北部モスルの西部を防弾ガラスの車で移動していた。1週間前に過激派組織「イスラム国」(IS)の手からイラク軍が解放したばかり。従軍取材を許され、日が落ちるなか宿泊先の軍の拠点へと道を急いでいた。 イゴール・プリケット だが、同乗のセキュリティー・アドバイザーの制止を振り切り、車を降りた。普段は出歩く人がほとんどいない場所に、突如、数百人の人波が現れたからだ。 人々が外に出ていたのは、解放後初めての食料配給を受けるためだった。イラク軍兵士がトラックの上で配る砂糖や缶詰などの食料品を、我先にとつかんでいた。1キロほど先ではいまだISとの戦闘が続き、砲撃の音が聞こえていた。ISの戦闘員や協力者は、食料配給場所を狙うとも言われていた。人々は、一時も早くここを立ち去りたい一心だった。 銃声が響いた。兵士が、牽制のために空に向かって銃を撃ったのだ。人々は諦めたように男女に分かれて列
米ジョージ・ワシントン大学教授フランク・セズノさんに聞く トランプ米大統領の「炎と怒り」が止まらない。中でも矛先は、大統領選中から、メディアに鋭く向けられている。米国の亀裂が深まるなか、政治とメディアの対立はいつごろから始まり、今後どうなるのか。米CNN記者の経験が長い専門家に聞いた。 ——米メディアは、政治と同様に保守とリベラルに分極化しています。いつから始まったのでしょうか。 自分たちの声が反映されていないという保守派の人々の怒りは、1960年代の公民権運動の頃からありましたが、90年代に保守系ケーブルテレビ局「FOXニュース」が登場したことで、真に形づくられました。FOXを創設したのは、ニクソン元大統領のために働いたこともあるロジャー・エイルズ氏です。今、FOXは「公正さ」を装うことすらせず、トランプ政権の代弁者になっています。さらに、オンラインメディアやソーシャルメディアによって、
日本語の授業で、割りばしを使ってみるサハリンの子どもたち=ユジノサハリンスク市内 Photo: Asakura Takuya サハリンのロシア人が、日本に親しみを感じていることには、距離もさることながら歴史的な背景がある。日露戦争以降、島の南半分は日本領樺太となり、日本人や朝鮮人が移住。第2次大戦後はソ連に占領され、多くは引き揚げたが、日本国籍を奪われた朝鮮出身の人や、朝鮮人と結婚した女性ら少なからぬ日本人は島に残された。 州都ユジノサハリンスク市に住むナースチャ・ナラ(28)は、日系2世の父と、韓国系の母の間に生まれ、ロシア人として育った。9年生(15歳前後)から学校で日本語を始め、大学では日本語を専攻。日本に留学もした。「当時は日本と日本語に夢中だった」。そのまま日本で暮らしていこうかと考えたが、日本の会社で働くようになると、ストレスで体調を崩し、故郷に帰った。いまも日本は大好きで、
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