■長男の留学でバカロレア教育が身近に ゴールデンウィーク明けの5月10日、私は久しぶりに、岡山駅に降り立った。幼いころはほぼ毎年、夏になると両親に連れられてこの岡山に来ていた。父の実家が岡山市内にあったからだ。ごく普通のサラリーマンだった父は、48歳で白血病で亡くなった。それ以来、岡山は縁遠くなった。私は54歳になり、父が他界した年齢をとうに超えてしまった。 懐かしさがこみあげる中、駅で待ち合わせしていた岡山大学副学長の田原誠さん(65)に会った。背が高く、細身で、父に背格好が似ている、というのが第一印象だった。 田原さんは現在、大学で入試の責任者を務める。農学部大学院の教授で、植物の遺伝やゲノム解析が専門だ。学者然したところがなく、物腰が柔らかで、親しみやすさを感じた。聞けば、役所や民間企業に勤めた経験もあるという。 岡山大学の医学部や歯学部がある鹿田キャンパス 田原さんがIBを知ったの
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