2010年4月26日 宇宙には通常の物質の約5倍の質量の暗黒物質(ダークマター)が存在することが、さまざまな観測結果から明らかになってきています。例えば、目に見える物質(星、星間ガスなど)だけしか存在しないとすると、銀河は自らの重力だけでは星を閉じ込めておくことができずバラバラになってしまうことが知られていますが、暗黒物質の存在を仮定することで観測されるような銀河を再現することができるようになります。しかしながら、暗黒物質の正体は依然として不明で、現代天文学および物理学における最も重要な未解決問題の一つとされています。暗黒物質の正体を探る一つの方法は、その空間分布を観測によって詳細に調べてそれを理論計算と比較することで、その性質を間接的に推定するという方法です。しかし、暗黒物質は文字通り「暗黒」、つまり光を発しないためその詳細な空間分布を調べることは非常に困難です。 暗黒物質の分布を調べる