彼女はこの国におけるオリジナル・パンク・ロッカーのひとり......である。1979年、ザ・スリッツやザ・レインコーツのデビュー・アルバムと同じ年に発表されたアーント・サリーのアルバムは、怒りと絶望の頂点に達した少女がまばたきもせず無表情に、そしてぬかりなく正確に、相手の急所に一撃を食らわすようなレコードだ。しかも(最近、再結成が囁かれている)ザ・ポップ・グループの"ウィ・アー・オール・プロスティテューツ"よりも1年前だ、"すべて売り物"とはよく言ったもので、ジョン・サヴェージ流に言い表すなら、「アーント・サリーこそ中曽根政権によって変えられた日本のその後の暗い未来を最初に予感したパンク・バンドである」となるのだろう(その観点で言えば、彼女が坂本龍一と組んだのは必然だったとも......、いまあらためて思い返せば)。 それから30年の月日が流れた。ポスト・パンクが欧米の若い世代を中心にリヴ
再び水戸に滞在してました。福島の実家からは、かつてわたしが10代から30代にかけてて聴きまくっていたカセットテープ、約3000本を水戸に持ち込みました。毎年使っている大量のターンテーブルも水戸にやがてやってきます。ほかにも、まだ明かせませんが、様々な音楽に関わるマテリアルがあつまりつつあります。さてこれをどう使うか。展示と特殊コンサート、大きな二つの柱を軸にいくつものプロジェクトが今年秋から冬にかけて『アンサンブルズ2010―共振』の名のもと水戸で行われます。詳細は水戸芸術館のホームページではなく(ここのページは見にくくてあまり役に立たなそうなので)こちらのページでお知らせします→http://www.artmetoo.jp/ensembles/index.html ということで、まずはわたくしからステートメントを。 - 『アンサンブルズ2010―共振』に向けて ― 大友良英 「空間に音を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く