想像だけでは追いつかない領域に向かう 新型コロナウイルスの蔓延により社会情勢は刻々と悪化している。中止になる演劇公演も増えており、また、映画館も続々と休館を発表している、そんな最中。 前回も書いたように、四月三日から福井県の<国立若狭湾青少年自然の家>で滞在をはじめて約一週間。広大な施設の利用者は私一人。朝七時に食堂で朝食をとり終えると、宿泊室の布団を畳み、身支度を。宿泊室のある別棟から通路を渡り、本館へ。三十人は余裕で収容が可能な会議室に入り、カーテンを開けっぱなしにして日光を取り込む。さあ、今日も一日が始まったぞ。目を閉じ、波の音に暫し耳を傾け、自然の波動に心を同化させながら、まだ僅かにまどろんだ意識を覚醒させてゆく。