★(2) 世代間格差は「世代間の対立に発展するほどの大問題だ」という議論がある一方、「それほど重要ではない」とする主張もある。また、今の高齢世代は「貧しい中から豊かな日本を生みだしたのだから、少しくらい恵まれていても当然だ」とか、「遺産として次世代に継承されるのだからいいではないか」という考え方もある。 どれも一理あるが、だからといって、現状の世代間格差を認めていいことにはならないと考える。 確かに、高齢世代は高度成長を担い、現在の日本の礎を築いてきたが、同時に多くのツケも残してきた。今年度末には676兆円にまで膨らむとされる国債残高がその一例である。 高齢世代が受け取る年金が遺産として残されても、若年世代が均等に配分を受けるわけではない。医療や介護などの現物給付は、遺産として残せるものでもない。こうした点を挙げていくと、「先代の苦労に感謝し、少しくらいの負担をするのはやむを得ない