2003年5月に小惑星「イトカワ」に向けて旅立った探査機「はやぶさ」が、6月13日に地球に帰還する。往復45億キロの大航海は計画では4年で終わる予定だった。ところが、相次ぐトラブル、絶体絶命のピンチに見舞われて7年に及んだのである。番組は「はやぶさ」に指令を送りつづけ、困難を乗り越えてきた技術者たちの奮闘を伝える。 リーダーの「あきらめの悪さ。負けず嫌い」 05年9月の「イトカワ」接近までは順調だった。しかし、着陸した「はやぶさ」が横倒しになっていることが判明する。これが度重なる試練の始まりであった。なんとか「はやぶさ」は飛び立つが、まもなく最大の危機を迎える。機体の向きを変える補助エンジンで燃料漏れが発生、機体の制御ができず、太陽電池パネルを太陽に向けられなくなったうえ、アンテナの向きもずれてしまう。通信できない「はやぶさ」は行方不明になる。 「いったん途絶えた惑星探査機の通信が復旧した