先日、ホンダのハイブリッドカー「インサイト」の開発責任者である本田技術研究所四輪R&Dセンターの関康成氏の講演を聞く機会があった(参考記事)。関氏の発言で印象的だったのが、次の言葉だ。 「インサイトの企画も終わっていない2006年5月の段階で、福井威夫社長(当時)が『2009年にお求めやすい価格でファミリータイプのハイブリッドカーを発売する』と記者会見で話しちゃったんです。いやー、言っちゃったなあという感じです。福井社長は、『(開発者を)2階に上げてはしごを外して、火をつけるくらいじゃないと新しいものはできない』なんて言う人で、内外ともに200万円を切ると話していました。でも、社長に恥をかかせるわけにはいきません。私もチームのメンバーには、『200万円払った人は、しょぼいクルマでは満足しない。20万台売れるクルマを作ろう』とプレッシャーをかけました」 ご存知の通り、ハイブリッドカーはエンジ